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高田 由香 さん
(たかだ・ゆか)
静岡県立 静岡がんセンター
疾病管理センター よろず相談 社会福祉士
日本女子大学にて社会福祉学科を専攻。肢体不自由児療護施設、リハビリテーション病院、一般病院の勤務を経て、2003年より現職。「がんでつらい思いをする人をなくしたい」と、予防や検診を広める啓発活動にも力を入れている。リレー・フォー・ライフというがん患者支援活動にボランティアとして参加。
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●がん治療費の支払いを支援する高額療養費制度

高田 「治療を受ければそれに見合った医療費の負担をしなくてはならないので、やはり治療費のことはいちばん早い段階で表面化しやすい問題です。その救済策として今、高額療養費制度というものがあります。

たとえば70歳以上の方はだいたいの方が医療費の1割負担、70歳未満の方はだいたいが3割負担が一般的です。つまり、かかった治療費の1割か3割を通常はご負担いただく形になります。

でも治療費が積み重なってさらに入院をしたりすると、1回に何十万という医療費の負担になってしまいます。それを最終的に払わなければいけない金額まで抑える限度額適用認定証というものを取得することもできます。高額療養費制度は、年齢によっても運用の仕方が違いますので、具体的なことは医事の窓口、あるいはソーシャルワーカーの方に相談していただくのがよいと思います。

病院によっては、窓口での支払い方法などの相談に乗ってくれるところがありますので、まず1回聞いて相談してみることが大事だと思います。」

Q.高額療養費制度とがん保険は併用できるでしょうか?

高田 「たとえば民間のがん保険に加入するのは、その方の自助努力でできるところをかけていらっしゃると思いますので、それは必要に応じて請求をしていただいて、たとえば治療費、あるいは生活費の補填という形で活用されている方も多くいらっしゃいます。それを治療費に使って、たとえば年間の医療費控除を申請されるときは、生命保険で補填された分を少し差し引いたり、あるいは高額療養費で補填された分も差し引いたり、ということをしないといけませんが、ただそれは制度としてはまったく別のものですから、同時に活用していただくことはできます。」