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濱 敏弘 さん
(はま・としひろ)
癌研有明病院 薬剤部長
1980年明治薬科大学卒業。国立横浜病院、国立療養所中野病院、国立国際医療センターを経て、2006年より癌研有明病院に勤務。がん専門薬剤師認定試験委員長を務める。
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4抗がん剤の副作用
  ⑤手足症候群

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「5-FUで起こる副作用に手足症候群があります。皮膚の角質化異常が原因で、手足の皮の腫れ・ひび割れ・水疱・皮膚の色の変化・爪の変化が現れます。ちくちくした痛みが現れて感覚が麻痺し、物が持てなくなったり家事ができなくなったり歩きづらくなったりすることがあります。起こりやすい時期は投与後2〜4週間です。

治療では皮膚をやわらかくするクリーム、ステロイドやビタミンAが入った軟膏などで対処します。市販のハンドクリームなどで乾燥を防ぐことが有効と考えられています。しかしこれといってよい治療薬があるわけではありません。ならないように日ごろから保湿やスキンケアが大切となります。

予防としては手袋や厚めの靴下を履くこと、長時間立っていたり窮屈な靴を履いたりして足を圧迫しないこと、熱めのお湯で家事をしないことなど、物理的な刺激を避けることが大切です。保湿剤は1日4〜5回こまめに塗布すること。入浴のあとや就寝前には少し多めに使用してください。ひどい場合は、抗がん剤の量を減量したり、投与間隔を延長したりして中止することもあります。」