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西山 浩さん
西山 浩さん
(にしやま・ひろし)
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1964年横浜生まれ。極度の腹痛が3〜4年間あり、2004年6月に知人の勧めで内科を受診。大腸検査でS状結腸に腫瘍が見つかり、翌7月に切除手術を受けたところ、ステージ(病期)4の虫垂がん(S状結腸まで浸潤)と診断された。2006年膀胱に再発し、腹膜播種を手術。2007年末肺に転移が見つかり、翌年7月に手術。現在は経過観察中。2008年リレー・フォー・ライフin新横浜実行委員。ブログ:MY HOME TOWNTwitter
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7腫瘍マーカーに一喜一憂しない

「自分はたとえば腫瘍マーカーの数字が上がったとか、下がったとか言われることに関して、それで一喜一憂をしたくないと思うのです。

数字というのはそのときそのときで変わってきますので、上がったから『ああ、だめだ』、下がって『ああ、よかった』とその都度喜んだり悲しんだりするのは意味がないと思うのです。それよりも今なんともないわけなので、その時間を“いかに楽しく生きていくか、過ごすか”という工夫をしたほうがいいのではないかと思っています。

がんが見つかった人はよく『再発したらどうしようか』『転移したらどうしようか』『ステージ(病期)が上がったらどうしようか』というようなことを考えるのです。そういうことを毎日ずっと考えていくと、本当に眠れなくなるし、鬱になるというのはわかります。だから自分はそれを考えないようにしています。それよりももう少しやることがあるのではないか、今動けるうちに残せることをやっていきたいということは考えています。」

●ブログを書く

「mixiのほうではちょこちょこ書いています。日記を書くことによって、他の人が励ましてくれるのですよね。『がんばってくれ』とか、『大丈夫だよ』とか。僕に関しては皆『この人は大丈夫なんだよ、がんなんか克服するから』というようなイメージをもってしまうのですね。そうすると今度はいざ自分がたいへんになったときに、それが書けないのですね。書いてしまうと、『あ、やっぱりこの人でもこうなっちゃうんだ』とマイナスのイメージになってしまうので、自分がどんなに具合悪くても、抗がん剤の副作用で吐き気があって気持ち悪いというときでも、『もう大丈夫だよ、もう平気だよ』という顔をしていちおう話はしています。

自分がそういう気持ちになることによって、本当に大丈夫になるときもあります。要は暗示みたいな感じですかね。本当に気持ち的に駄目だと思うとどんどんどんどん沈んでいく、その繰り返しになってくるので、その悪循環になってしまうのです。それを今度逆のプラスのイメージにしていく、『大丈夫なんだ、大丈夫なんだ、大丈夫なんだ』としていくと、本当に気持ち的にも大丈夫になっていると思います。」

●真剣に生きる

「今までは結構いい加減にちゃらんぽらんに生きてきたのですが、実際がんになって、自分がたとえば70、80歳まで生きていられるのかをイメージしたときに、まずないと考えます。それはマイナスな考え方ではないのですが。今までだらだらずっと何十年も生きてきた時間よりも、今この病気になってこれから先10年生きる生き方のほうが、やはり生きるということに関して真剣に考えて生きている時間帯だと思うのです。最初にも言いましたが、“自分が動けるうちに何かをしたい”と思うようになりました。ボランティア活動を今しているのですが、がんにならなければそういうこともやろうなんて考えもしなかっただろうし、がんになったことによって周りの人、同じような病気で闘ってる人を励ましてあげたい、力になってあげたいと考えるようになりました。なので、悪い部分というよりも、むしろいい部分のほうが多いのではないかと思います。」