がんと向き合う

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山崎 孝子さん
(やまさき・たかこ)
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福岡市在住、主婦。家族は夫と子ども3人。2007年、51歳のときに極度の腹部膨満感から病院を受診、ステージ(病期)4のS状結腸がんと診断される。転移先の卵巣、原発のS状結腸を手術し、現在は2週間に1度の抗がん剤治療を継続中。博多どんたく祭への参加を地元の患者会に呼びかけ、2008年に「がん・バッテン・元気隊」としてがん患者200名とともにパレードに初参加、参加者に感謝される。
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5食事、睡眠、運動

「特にいわゆるあの大腸がんになりやすいような食事ではなかったです。反対に、無農薬とか発がん物質とか結構気にしていたほうなので、食事自体はそれほど激変はしなかったですね。あまり食べることにストレスを感じるのもいけないかと思い、ごくごく普通に、野菜は多めで肉は少なめくらいにしてますけど、食事はほとんど変えていないです。

生活面では、なるべく早く寝るようしました。12時にはお布団に入るようにしています。抗がん剤がいちばん効くのは寝ている間だと聞いたので、寝る時間は確保しています。もともと夜更かしで、『体はくたびれているのだからちゃんと寝るように』と先生に言われて。でもなかなか・・。最初のうちはがんばっていましたけど、最近また少し遅いです。病気が発覚するまでは平気で夜中の1時とか2時に寝て、朝6時半とか7時くらいに起きなくてはいけなくてもそのくらいの時間に寝ていました。当時は眠りが浅かったみたいで、夜中に息子や旦那が帰ってきて、ゴトゴトと音がするとすぐに目が覚めていたほうなのですが、最近はしっかり寝てしまいます。

卵巣を取ってしまったので、更年期障害の影響がすごくは出ませんでしたけど、少し寝られないという状況が続きました。先生に言うと『では、睡眠導入剤だけあげましょう』ということで、とりあえず導入剤は今も飲んで寝ています。

いま唯一の運動は毎日の犬の散歩です。裏に植物園があり、そこの遊歩道を歩くと1.4キロぐらいです。できる限りそれは毎日、朝と時間があれば夜と2回行っています。私の仕事になっちゃってましたので。」

●すべては免疫力を上げるため

「宣告されたときから、リンゴとレモンとバナナとにんじんジュースとヨーグルトを混ぜたものを毎朝飲んでいます。それはお腹のお通じにはいいみたいです。あとお肌にもいいみたいで『すごくつやつやしているね』とよく言われるので、多少その効き目があるのかなと思っています。あと本格的なアロマ・マッサージをしている友達に『是非、実験台で』と言われて、ずっとやってもらっています。それも結構、免疫力アップにはいいかなと思っています。いわゆるマッサージですから気持ちがいいのです。気持ちがいいことはたぶん体にいいのかなというモットーですべてやることにしましたので。おおいに遊び、楽しいこと、嬉しいこと、おいしいことはたぶん全部免疫力アップにつながると思い、そういう方針で今行っています。

自分のストレスになることは一切しないことに決めました。それで乗り切って行っています。あとは免疫力を上げる。いいよと言われたことはなんでもしてみようかと思っています。がん患者だけど、病人じゃないと思って生活していますので、“したいことは今しましょう”という感じです。」

●がん保険に入っておけばよかった

「保険らしいものは、義理で入った生協の共済の一口千円くらいのすごく安いものと、あと旦那の名義の『妻子特約』というものだけだったので、ほぼなしです。やはりちゃんと自分の名義で入っておくべきだったなと後からつくづく思いました。

いくらかかったのかと思い、去年の医療費控除の計算を見たら年間147万円で、高額医療費制度で90万円ぐらいは戻っていますが、でもやはりそのくらい掛かるのだな、がん保険に入っておけばよかったなとつくづく思いました。

私が受けているのはいわゆる標準治療なのですよね。標準治療なので、もう少し安くていいのではないかと思いますけど。私はサプリメントとかこれががんに効くとか、そういうものには一切お金は使っていませんが、それでもやはり年間140〜150万円近くで、高額医療の補填があっても自腹で50万以上は出さなければいけないのはかなり厳しいですから、そのへんをもう少し、これが要するに私の場合は、たぶん何年もというか死ぬまで化学療法は続けていかなければいけないのだと思うので、何年かかるかわからない状態でずっとお金がかかるというのは結構厳しいと思いますね。

こんなにがんになる人がいっぱいいるのなら、抗がん剤自体がもう少し補助が出たり、もう少し安くなってもいいのかなと思いますけど。」