2直腸がんの手術を受ける
「先生が手術の日にゴムの手袋で触診をしてびっくりしたのです。最初、(腫瘍は肛門から)5〜7センチぐらいと書いてあったし、外来で診た先生もそうおっしゃったのですけど、手術をする先生が間際に診たら、肛門から2〜3センチで『あまりにも下すぎる』とおっしゃって、先生達同士で話しているのです。
私も内心、何事かと思いました。あまりにも下だから、『これは人工肛門(ストーマ)になりますよ』と言われて、私はその意味もわかりませんでした。ただそういう方がいるというのは人ごとのように聞いていたので、自分もそういうふうになるなんて『たいへんだな・・・』と思いました。
手術に臨むと、先生とほかの先生たちが、『あなたはラッキーでしたよ。今は技術がすごくよくなっていて、ストーマをつけない手術をしました。直腸を全部取ったので、直腸がなくなったけれど、月日が解決するから大丈夫ですよ』と言われて、私もその程度に考えていました。
やはり月日というか、手術をして5日目、6日目、10日目とだんだんいろんなものを少しずつ口から食べることになってはじめて、直腸のないことのたいへんさを私は体験しました。」