がんと向き合う

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河原 みさえさん
(かわはら・みさえ)
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東京都在住。2003年末、還暦を機に受けた簡易血液検査がきっかけで直腸がんがみつかり、翌年5月に直腸切除術を受ける。術後1〜2年間は排便にひどく悩まされるが、食事と排便のバランスを少しずつ体得し、次第に元気を取り戻す。現在、再発・転移はなく5年が経過。「ジャパン・ウェルネス」で出会った同じ病気の仲間や、綾小路きみまろの笑いに精神的に救われる。
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5食べるものを自分なりに調節

「お米をたくさん食べると、やっぱりお通じがたくさん出るのです。それはたぶんその人によって違っていて、私のがすべてではないと思うのですが。お肉とかそういうものを食べると、本当に便がたくさん出てしまうのです。だからなるべくパン食とか、食パンなら1枚、2枚食べれば意外とご飯1杯食べたぐらいの満足感がありますし、おせんべい1枚でも食べた気になります。今まで健康なときにやたら何でも食べて、ご飯も小どんぶりに一杯ずつ平気で、お米が好きで食べたり、いろんなおかずを山ほど食べたりしたのですが、それをするとあとでお通じがたいへんだということを体験しました。

だからその1年間はお米も本当にちょっとで、それをよく噛んで満足感を得て、量はたくさん食べられなかったです。それが今もずっと続いていて、たくさん食べないように我慢もできるし、ある程度調節もできます。やはり暴飲暴食ではないけれど、たくさん食べればそれなりに責任をもたなければなりません。私の頭のなかではもういつまで続くかわからないですが、今でも夢中で食べるとあとがたいへんだと思うので、そういう調節は自分にしかできないけれど誰にも真似できるものでもなく、また皆が同じではないですが、自分の経験から食べるものとお通じのことを自分なりに調節しています。」

●人間の体の不思議

「直腸もやはり月日で、少しは便を溜めておけるようになってきました。それはやはり人間の体の不思議というか、先生が『あなたの場合こういういいやり方をしたのです』と言っていたのも、何かきっと先生のなかでは私の腸に対してストーマをつけなくてもいい方法をとっていただいたと思うので、それはもう先生には感謝だと思っています。その(お通じが)我慢できなかったのが、1年ぐらいすると少しずつ溜められるようになって、食べてすぐにお手洗いに行かなくても少しずつ間隔が開くようになりました。あんなに便が出て困ったのが、だんだん溜まるようになってきたというのは、やはり先生のおっしゃるように月日が解決してくれたのでしょうか。

今もう5年たったのですが、今は今で、また私の直腸は言うことを聞いてくれず、逆に溜まってしまい、思うように出ないのですね。今度は溜まるところができて、ある程度直腸の働きをするようになり、今度はそれを押し出す力がにぶいので、下剤を2日に1回飲んでお通じを促しています。でもそのぐらいの調節を自分でするのは、今までのつらいことからしたら別に苦ではないので、そうしています。ずっとそれで行くのかなと思うのですけど。」