「僕の場合は直腸でも上のほうだったので、ストーマ（人工肛門）にはならずに済みました。あと他の病気がわりとないということで、大腸と肝臓の手術が同時にできたのがよかったのではないかと思います。

手術で肝臓を4割ぐらい切りました。大腸は途中を切ってつなぐというぐらいで簡単なのですが。肝臓は人間の臓器のなかでいちばん大きい部分で、それを4割切ってもほとんど体重は変わっていませんでした。僕は入院していたら体重が減るかと思って期待していたのですけど。

ただ幸いだったのは、『太りすぎで麻酔が効かない』とか『脂肪が邪魔で手術ができない』と言われたらショックだなと思っていたのですが、さすがお医者さんはプロで、そういうことは言わなかったですね。

それから“腹部正中切開”という手術で、（お腹を）縦と斜めに切りました。手術をして回復室を出て自分のベッドに戻ると、いまどきは翌日ぐらいから『歩いてください』と言われますよね。ですから、手術が終わった直後にベッドから自分で起き上がる練習をしました。どういうふうに体を起こしたら痛くないかを夜中に練習して、起き上がるのに4時間ぐらいかかりました。最初はたいへんでしたけれども、それはすぐに慣れました。