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竹内恒雄 さん
(たけうち・つねお)
公益社団法人 日本オストミー協会(JOA) 事務局長
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1943年生まれ。非鉄鉱メーカー在職中の1991年、会社の健康診断がきっかけで、家の近くの病院を受診。検査で直腸がんが見つかる。翌月、直腸がん切除術を受け、人工肛門を造設。その後約1年半、抗がん剤を服用。現在は年1回検査で経過観察。2011年3月11日の震災発生後、JOAは日本ストーマ用品協会と協力して、被災地へのストーマ装具支援等の陣頭指揮をとっている。
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5日本オストミー協会の取組み

①災害時の装具手配

「とにかく災害時に装具がなくて生活ができなくなると非常に困るので、7〜8年前から各都道府県に備蓄をお願いしたのですが、せいぜい7〜8都道府県が備蓄に応じてくれただけで、なかなか進まなかったのですね。今は千葉県、神奈川県では備蓄ではなくて、『場所を確保してくれれば自分たちが物を持って行って半年〜1年で交換するし、管理も全部オストミー協会がやります』ということで場所の提供をお願いしていて、それは進んでいます。東京も少し進みそうで、茨城、埼玉まではその方法を今とっています。ただあくまでも自分自身で自分を守らなければいけないので、万が一のときはとにかくどんなことがあっても『装具の2週間分ぐらいは持って逃げる』というのが前提です。

日本ストーマ用品協会という装具メーカー8社の連合体があり、そこからは災害救助法が発令になったときには必ず『1ヵ月間装具の無料交付を行います』という取り決めが日本オストミー協会との間にできています。ですから災害救助法が発令されそうなときに、私からストーマ用品協会に装具発送の手配を入れて避難場所を連絡します。あとはストーマ用品協会が直接、各地のオストミー協会の支部長と連絡をとって送るという形になっていますので、ライフラインがつながれば、とりあえず装具は交付できるという体制にはなっています。」

●ライフラインがつながるまでが問題

「ただライフラインがつながらない期間が長引くと、装具がないということがありうるので、そのときのために自己保全と、できれば(自治体から)交付できるように備蓄をお願いしているのだけど、なかなかうまくいかないですね。」

Q.竹内さんはどのくらい予備の装具を持ち歩いていますか?

「普段自分で持ち歩いているのは1週間分ぐらいです。しかし都内の場合は下手をするとライフラインがつながるまで2週間近くかかるという話もありますから。どのぐらい持ち歩いたらいいのか、なかなかわかりにくいです。」


②オストメイト用トイレの全国設置を推進

「オストメイト対応トイレの設置活動が平成9年頃から始まり、今は国内でJRを主体に約1万箇所で設置が進んでいるはずです。

オストメイト用トイレのマークがある所は専用トイレが設置されています。日本オストメイト協会では、『通常の便器のほかに“汚物流し”という流しを作っていただいて、何かトラブルがあったときはそこで少し簡便な処理ができるというものを設置してください』とお願いしています。それがだいぶ進んだということになります。

ただ病院の外来での設置がわりと進んでいないのです。個別の部屋はオストメイト対応トイレになっていても、外来患者には使えませんので、病院での設置をもう少しお願いしていかなければいけないと思っています。」