がんと向き合う

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池嶋貫二 さん
(いけしま・かんじ)
公益社団法人日本オストミー協会
20/40 FOCUS GROUP
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2003年(38歳)に直腸がん(ステージ3)と診断され、直腸切断術を受け、人工肛門を造設。術後は抗がん剤(UFT+ユーゼル)を2年間服用。退院後、システムエンジニアから障害者雇用コンサルタントにキャリアチェンジ。東日本大震災では20/40 FOCUS GROUPのブログツイッターを駆使して、被災したオストメイトのためのストーマの受け取り場所などの緊急情報を随時発信。
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3仕事を変える

「私は(病気になる前は)システムエンジニアで、個人で立ち上げて請負業をしておりました。

(入院前は)がんであることを周りの皆さんにお伝えして、(退院後は)障害として人工肛門が造設されたというお話をしていました。お客様からすると『何があるかわからない』というのがやはり先行して、残念ながらお仕事としては結局、何ひとつ来なくなってしまい、廃業というかたちで店を閉めることになりました。

実際、廃業する前に試しにお世話をしていただいて、近くの会社のシステム関係のお手伝いに行ったのですが、体調もやはり不安定な部分があり、疲れやすかったりしていたので、結局は数週間で『すみませんが・・・』とこちらのほうからご遠慮さしていただいたような状況でした。

私たちシステムエンジニアの場合、事務所で仕事をするのではなく、工場など現場のシステムを作るために危険な場所にも行きますし、危ない作業もすることがあるので、それを考えると、この体で現場の中でやっていくのは難しいかもしれず、逆に周りの人にご迷惑がかかるかもしれないので、そこでキャリアチェンジの考え方が生まれたということです。」

●障害者雇用枠で仕事を探す

「実際にハローワークなどの障害者雇用枠で仕事を探すとしても、まず自分は何ができるのかというのがありました。もともとシステムの開発をしていたから、それに近いものでしかないと思い、システム開発の補助という仕事でもないだろうかと思ったのですが、やはりそんなに簡単な仕事ではないので、なかなか見つかりませんでした。

そこで、障害者専門の人材紹介をしてくれる会社が東京にあり、紹介いただける所がないか相談したところ、その会社で拾っていただいたというのが今に至る始まりです。

実際、システムのプロフェッショナルの方が(その人材紹介会社に)求職者として来られたときに、会社としてきちんと対応できる人がいないと仕事の紹介もできないので、そういうSE系部門での担当も私が兼ねることになりました。

まさかそういう所(人材紹介会社)に行くということを全然想像していませんでしたし、自分はシステム系で仕事を続けていこうかなと思っていたのが、まったく180度違う方向に進んだという。これも運命かもしれません。」