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「最初に見たときは、『いや、こんなもんかな』と、それほど何も思わなかったですね。丸いのがちょこんと乗っているような。でも腸が出ているわけだから、自分ではそんなにうれしいものでも、かわいいものでもないんですよね。でも看護師さんが『かわいいね』と言うのです。『いや、かわいくないのに。この人何言ってるんだろう』とすごくいやな思いがしました。看護師さんはいいと思って言ってくれたのかもしれないのですけど、私はまだ入院中でやはり『ちょっといやだな』とも思っているので、『どこがかわいいんだろう。看護師さん、自分のことだったらそう思えるのかな』と思ったりしました。」

「抗がん剤は薬の名前も全然覚えていないのですが、いちばん軽いというのが半年ぐらい出ていて、それを飲んでいました。退院してからも、半年〜1年ぐらいは病院に通っていました。飲んだ次の日はすごくしんどかったですね。何か食べ物がおいしくない、食欲がない。でも副作用はそれぐらいで済んでいるから、楽だったとは思いますけど。

でも本当はちゃんと飲まないといけないのに、しんどくて途中で何回か捨てたことがあります。だめですよね、そんなことしたら。」

「（主治医の）先生、怖いんですよ。いらんこと言うと怒るのです。『妊娠とかの話を聞きたいから、違う病院の先生(当時、オストメイトの妊婦さんが通院していた病院の外科の先生)に診てもらいたい。診断書を書いてください』と言ったら怒られたのです。『あなたは人工肛門にしたから子供ができないのではないのですよ』と。だから、『そうではないのです。その先生のところには妊娠したオストメイトがいるそうなので、行って、妊娠とかこれからのことを考えて話を聞きたいだけなんです。とりあえず診察という形になるので“診断書がほしい”と言っているだけなのです』と言いました。でもなかなか書いてくれなかったのですね。書いてくれたのも、役に立たないような診断書でした。患者をとられると思ったのですかね、よくわからないのですけど。そういうことがありました。」