がんと向き合う

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木村稔美 さん
(きむら・としみ)
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1959年愛知県生まれ。46歳のとき(2006年)直腸がん(ステージ2)が見つかり、直腸とS状結腸を切除、ストーマを造設。約3ヵ月後、職場に復帰。術後、補助的に抗がん剤治療を受けるが副作用のため1クールで終了。術後5年を経て気持ちが少しずつ前向きになり、若い女性オストメイトのための患者会ブーケの手伝いを始められるようになる。乗馬が趣味。ブログ:minnのいろいろ気ままな日記
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5馬に癒される
Q.乗馬を始めたきっかけは?

「ずいぶん昔、仕事場に嘱託で働いていたおじさんが『馬に乗ると、世の中変わって見えるぞー。高いところから見るとちょっと気分がいいぞー』と連れて行ってくれたのです。一度ぐらい乗ってみたいじゃないですか。それがきっかけだったのですが、『なんてお尻が痛くてしんどいスポーツなんだろう』と思って。でも1週間ぐらいしたらまた乗りたいんですよ。『ああ、馬ってすごくきれいでかわいかったな』と思って。それ以来ですね。ちょこちょこと乗りに行っています。」

Q.乗馬をするときに、気をつけていることは何ですか?

「馬に乗っているときに(ストーマから中が)出てきてもらっては困るんですよ。なので馬に乗る前は一食抜きます。最初あまり考えていなかったんです。ずっとお腹の調子も悪いし、『これでは馬も乗れないし困ったな』と思っていたら、同じストーマの患者さんが『スーパー銭湯に行っている』と言うので『えっ・・・スーパー銭湯行けるんですか?』と聞くと、『ストーマを隠すシートを貼って、行っている』と言うんです。『中、出てこないの?』と聞くと、『行くときには一食抜く。好きなことをやろうと思ったら自分も努力しなきゃ』『ああ、そうか』と思いました。

だから『馬に乗ろうと思ったら、一食抜けばいいんだ。自分でもある程度歩み寄らなければ、やりたいことは続けられないな』と思いました。その方がそうやって『結構行っちゃってるよ』と言うので『あぁ、そうなんですね』と嬉しくなっちゃって。馬はずっと乗りたいなと思っているので、乗る前は一食抜いて『終わったら食べよう』と思って行っています。もう慣れてしまったら、なんとも思わないですね。」

Q.術後で、体力的に問題はなかったですか?

「当初は、別に走り回らなくても、歩いているだけでも本当に癒されるので、まぁ乗ってましたね。『格闘技以外は何をやってもいい』と先生は言われるので、いいのかなと思って乗っちゃってます。馬はしゃべらないけれども、かわいいというか、私にとっては本当に癒されるので、また乗れるようになってよかったと思います。馬仲間にも恵まれていると思います。」