がんと向き合う

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東 千佳子 さん
(あずま・ちかこ)
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1970年滋賀県生まれ。2001年よりオーストラリアに住み、永住権を取得し仕事も順調だった。2010年、腹痛より大腸がん(ステージ4)が見つかる。術後、感情を失い、専門家のカウンセリングを週2回受け、次第に落ち着く。1ヵ月後日本に帰国し、実家から通院。家族、友人、患者会のサポートもあり徐々に自分を取り戻す。2012年にiPad2を購入、日記をつけ始める。6月から文鳥を飼う予定。
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18メッセージ
●しんどいときは『しんどい』と言っていい

「一般的に『前向き』って言いますけど、私は全然前向きじゃなくて、もう『斜め前向き』ぐらいでいいと思っているんです。なかなか前向きになれる状態ではないので。がんは大きな病気なので、まともにやり合っちゃうとこっちがやられちゃう。私は『ちょっと脇に見ている』ぐらいで、休み休みしながら、気晴らしに旅行とか行って、付き合っていくしかないなと思う。がんだから前向きになる必要はないと思います、疲れちゃうので。

しんどいときは『しんどい』って言っていいと思うんです。私みたいにがんになった方とか、家族の方とかもしんどいときは『しんどい』って言ってもいいし、もうだめだと思ったら本当に2〜3日寝込んでいてもいい、人間だから当たり前だと思うんですね。今、サポートグループとか患者会とかがあるので、そういうところに出てみて、私はずいぶん救われたので、そういうところに出ていってほしいですね。すごくたいへんなことなんだけど、私にとっては本当に大きなステップだったので。」

●全部縁があると思う

「私はすごく縁を信じますね。全部縁だと思っています。前はうまくいかないとすごく焦るほうだった。うまくいかないと、ちょっとイラッとすることがあったんですけど、今はもう一切それがない。病気になってからは、全部縁があると思ってやっているので、焦らなくなりました。

たとえばテレビ番組をひとつ見忘れて、前は結構イライラしたんですけど、今は『再放送があるから大丈夫』と、何か絶対に縁があると思っています。たとえば友達と会う予定がキャンセルになっても、『じゃ次はもっと楽しく、会えるんじゃないかな』と、縁はあると思っているから、慌てないです。だから前に起こったことをあまり思わなくなったので、後悔しなくなりました。

自分の言う通りにいかないと昔は結構腹を立てていたんですけど、今はもう世の中は自分の思い通りにならないことだらけですからね、イライラしなくなりましたね。

かなり重い病気になったということもあって、障害者に対する考え方もすごく変わったし、いろんな人がいるんだなというのは本当に思いますね。偏見がなくなったというか、人を見かけで判断しなくなったというか、物事を表面だけで判断することはなくなりました。

だって、こうして会っても私のことを誰もがんと思わないですよね。私がストーマだなんてわからないですよね。全然人は判断できないですよ。だから前は人間が小さかったなと思うんですけど、今は本当にいろんな人がいるということを、自分で体験して思いますね。」

(東千佳子さんは逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。)
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