がんと向き合う

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内山とみ子 さん
(うちやま・とみこ)
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2000年ぐらいから痔のような症状が出て、2001年3月に手首を骨折し、その手術のために浣腸を受け、看護師から出血を指摘され、検査を勧められる。その3か月後に夫の急死などで検査を受けなかったが、その後、便秘がひどくなり、腹痛もあることから2002年5月に受診。叔母が大腸がんであることから内視鏡検査を勧められ、直腸がんが見つかる。ストーマ(人工肛門)を造設。ストーマケアは、自分なりに工夫したり、ストーマ外来を利用するなどしてつきあっている。患者会(ブーケ:若い女性オストメイトの会)に入ることで情報を入手したり心の励みとなり、いずれは誰かの役に立ちたいと語る。スポーツを楽しんだり、忙しい日を送っている。現在、息子夫婦・孫と同居。
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8治療後の生活①
●検診

「(術後)5年間は、半年に1回ずつぐらいは、CTとか注腸検査とか、いろいろ受けていたんですけど、一応、5年間を経過した時点で、『最初の70%から80%という5年生存率をクリアしましたよ。ただ、同じ腸でも、新しく出る、できる場合もあるから、一応、定期的に検査は受けてください』ということで(した)。」

●食べ物

ブーケ(患者会)の方のお話とかを聞いていると、食べ物、それこそ食べるものを(に)気をつけたり、自分なりに、これはやめておこうとか、そういうの(こと)をお聞きするんですけど、私の場合は、特に、これはやめておこうとかということはないですね。食べることに関しては、あんまりなかったですね。比較的なんでもいただきました。ビールとかも好きでしたから。やっぱり退院当初は、なかなか体が受け付けなかったんですけど、2、3か月した頃は、もう普通に、特に気をつけることもなく…。

ただ、着るものとかは、お腹を圧迫したらダメとかとそういう先入観みたいなものがありましたので、ジーパンとかそういうものは一切履けないと思い込んでいました、その当時は。翌年に、ブーケの会を知ることになって、そちらの座談会とかに出かけていったときに、本当、皆さんおしゃれで、全然、ストーマだということがわからなかったので、『あ、これは私もできるわ』と、その頃から、もうジーパン平気、何平気となりましたね。

例えば、ちょっと宴会(が)続いて、暴飲暴食まではいかないまでも、ちょっと食べ過ぎたな、飲みすぎたなという(とき)、『したらダメ』ということを忘れてしまうんですよね。そうなると、腸閉塞になりかけたり、入院騒ぎを起こして、『あ、やっぱり私は病気だったんだ』みたいな…。逆に10年経ってくると、そういう失敗も重ねつつ、ま、悩んでいても仕方(が)ないから、もう一生付き合っていくしかない、24時間、365日。元の体に戻るわけではないので、自分なりに工夫をして。

本当に装具とかの開発とかも、オストミー協会とかブーケの会みたいな、そういう患者会の方が、かなり働きかけをしてくださって。叔母が、大腸がんになってストーマになったのが、平成6年(1996年)ぐらいなんですけど、その頃に比べれば、今の装具は段違いに良くなっていますので。

そういう意味では、日々、医学もそうですけど、装具とかもかなり開発が進んでいるのが、ありがたいですね。」

●お風呂

「お風呂に入るときに、自分の体を見たときも、最初の手術した頃、3年目、5年目までは、もう目を背けたくなる。その都度、悲しいなという思いだったんですけど、最近は、こんなもんなんやと…、だんだん見慣れてくるといいますか。」

●痒み

「私、すごい汗かきなんですよ。で、夏場は、その汗と、装具の合う合わないで、漏れたりしたときに、もう痒みがすごくきて、赤く、ただれたような形になるので(それが辛いです)。2階から目薬じゃないですけど、装具の上から掻いても、もう痒い痒い痒いという状態になるので、それが一番困りますね。」