がんと向き合う

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内山とみ子 さん
(うちやま・とみこ)
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2000年ぐらいから痔のような症状が出て、2001年3月に手首を骨折し、その手術のために浣腸を受け、看護師から出血を指摘され、検査を勧められる。その3か月後に夫の急死などで検査を受けなかったが、その後、便秘がひどくなり、腹痛もあることから2002年5月に受診。叔母が大腸がんであることから内視鏡検査を勧められ、直腸がんが見つかる。ストーマ(人工肛門)を造設。ストーマケアは、自分なりに工夫したり、ストーマ外来を利用するなどしてつきあっている。患者会(ブーケ:若い女性オストメイトの会)に入ることで情報を入手したり心の励みとなり、いずれは誰かの役に立ちたいと語る。スポーツを楽しんだり、忙しい日を送っている。現在、息子夫婦・孫と同居。
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11メッセージ

「ブーケの会とか、食事会とかで顔を合わす人が決まっているんですけど。『今、抗がん剤で、髪の毛抜けて本当にちょっとしんどいねん。でも、皆に会いたいから、こうやって出てきたよ』というの(言葉)を聞くと、こんなにも前向きに生きられるんだという。だから、そういう意味では、一人で悩まないでほしいなというか。病気と闘っている人が(へ)。

私もそうでしたけど、本当に一人で考え込んでしまうと、負のスパイラルというか、悪いほう悪いほうにいってしまうんですけど(よね)。私の場合は、子どもたちもそうだったんですけど、特に、妹家族が、主人が亡くなってから一緒に泣いてくれたので(くれたり)、私の病気に関しても、皆が心配してくれて支えてくれた。体調的にしんどかったりとかもありますけど、精神的な部分で情けないなと思ったときに、甘えさせてもらって、周りの人に助けてもらって。(それは)ちっとも、悪いことじゃないと(私)思うんですよ。これだけしんどいし、助けてよ(と)。

その代わり、自分が助けてもらって元気になったとき、体の元気もそうですけど、気持ち的に元気になったときに、自分のできること(で)恩返しできたらいいなっていうか…。

一人で悩まないで、周りの人に助けを求めるのもそうですけど、ブーケのような患者会みたいなところに足運んでほしいですね。情報だけではなくて、人とのつながりとか、そういうことで、私は、随分、助けられたり世の中の見方が変わったりということもありましたので。そういうものに、自分のほうからどんどん向かっていってほしいですね。

ブーケとかでもそうですけど、結構、患者会とか、門(を)開けていますので。今、病気と闘っている人には、決して、一人で、自分の殻の中に閉じこもらないでほしい。いろんなところに、自分のほうからメッセージを発して、で、助けてもらったり、いろんなものを、情報とかも含めて、自分のほうに仕入れてほしいですね。自分の方向に。」

●心に残っている人・言葉

「バースデーカードというのをブーケのほうから毎年いただくんですけど。その方は、それを手作りされていたんですよ。ただ、残念なことに亡くなってしまいましたので(が)。

去年は、もう亡くなられたあとだったし、一昨年のバースデーカード(が)きたときは、具合が悪いと聞いていたから、たぶん、今年はこないだろうな。だから、代わりの(に)印刷したものだろうなというの(思い)があったんですけど、具合(が)悪くても書いていたみたいで。『入院してはるって聞いていたけど、このバースデーカードって、印刷じゃないよね、手書きよね』と言ったら、手書きで。病室で…、すごい。

(また)食事会で、食事は、ほとんど手をつけられないぐらい食欲もない状態なのに、明るく笑ってはるから、『なんでそんなに元気なん?』と言ったら、ちょっとしんどいんやけど、『もうなってしまった病気で悩んでいてもしょうがないし、泣いても1日やろ?笑ってても1日やろ?そしたら笑ってるほうがいいやん』と明るく言われるんですよ。『そうすると笑っていることによって、自分だけじゃなくて、周りの人も明るくなるんやろ?私が泣いていたら、周りの人も、なんか寂しくなるというか、周りの人も辛くなるから、それやったら、自分だけのためじゃなくて、周りの人のことも含めて笑ってるほうがいいん違う』と明るく言われるから、あ、そうなんや。だから、私も、できるだけそういうふうにしたいなというか、泣いているよりも笑っているほうが…。」