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中西 洋一さん
中西 洋一さん
(なかにし・よういち)
九州大学病院がんセンター外来化学療法室室長
1980年九州大学医学部卒。85年米国国立癌研究所留学などを経て、2003年から九州大学呼吸器内科学分野教授。06年からは同大病院高度先端医療センター長を兼務。専門は肺がん治療。
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6日常生活で気をつけるべきこと

「まずはタバコを吸わないことですね。よく『もうがんになっちゃったからいいんだ』と思われる方もおられるのですが、やはりタバコを吸うと息も苦しくなりますし、それからくすりも副作用が出やすくなりますし、感染症も多いし、いいことがあまりありません。ですからできるだけそれだけはおやめいただきたい。」

●がんに関する情報のとらえ方

「非常に難しい問題です。というのは、ちまたに溢れているがんに関する情報にはかなりインチキなものがたくさんあります。私たちはときどきそれをみては困ったな・・・と思っているのが現状です。しかし一方で、がんの患者さんにとって非常に重要な情報も流れています。ここではひとつひとつについて申しあげることはできませんが、まずひとつ大事なことは、正しい情報は医師以外のところからもやはり収集していただいたほうがいいと思うのですね。ただし、患者さんにとってはそれが正しいのか、あるいは非常にあおるだけの不適切な情報なのか、これはなかなか判断できないと思いますから、「どうだろう?」と思われたことについては専門家にぜひご相談いただきたい。医師からの情報も必要ですし、あるいは医師以外からの情報も必要だと思いますが、最終的にそういった情報が信頼しうるものなのかは、少し医師に相談していただいたほうが、情報についてきちんと整理をして、またそれを有用に活用できると思います。」

●社会全体でがんと向き合う必要性

「最近は新しく法律(がん対策基本法)も整備されましたし、世間ではたとえばがんの患者さんであってもできるだけ快適な生活を送れるように、あるいはできるだけ苦痛のない生活を送れるように、社会のいろんな環境整備も、また患者さん自身の意識の変化も出てきているように思っています。そういった意味で、現在がんに対しては患者さん自身だけではなくて、医療側もあるいは行政も社会もひとつになって立ち向かっていこうという気運が盛り上がっているように思っています。今のこの気運をけっして止めることなく、今後も社会全体としてがんと向き合っていくことが必要じゃないかと思っています。なにしろ今、日本人は3人に1人ががんで亡くなるという現実があります。日本人にとって最も平凡な死に方ががんで死ぬということなのですね。だからあまり特別視することなく、しかしながらそのことをきちんと受け止めて、皆さんと一緒にがんに対する取り組みをしていきたい。そしてこの現在の気運をぜひとも今後さらに広げていきたいというふうに思っています。」