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岡崎 正子さん
岡崎 正子さん
(おかざき・まさこ)
神奈川県在住。50歳のときに専業主婦から一転し、婦人服縫製の会社を設立。最盛期は社員26人を抱える規模に成長。2006年5月、79歳のときに肺がんがみつかる。4回の化学療法ののち、2007年夏より開始したイレッサ治療が奏効。現在は通院で服薬治療中。
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5化学療法のあと、イレッサを選択

「1回目の抗がん剤治療(化学療法)のときは、すごく緊張してたいへんだったのですが、2回目は少し気持ちにゆとりがでてきました。点滴の薬が7種類あり、時間通りにいけば朝10時に始めて夕方6時に終わる予定が、うまく薬が入らず結局夜10時頃までかかったことが一度ありました。しかし気持ちにゆとりがあったので、点滴を変えるごとに(薬の袋に書いてある)自分の名前を確認して、『この薬のときはどういう気持ちになった』『あの薬のときは頭痛がして体がこんなふうにだるかった』と全部記録しました。 抗がん剤治療は、普通なら一度家に帰ってまた病院へ受けに行けばいいのですが、どういうわけか血圧がなかなか安定しなかったので、抗がん剤治療が4回終わるまで入院していました。

結局、その4回の化学療法が一時はよかったのですが、その後あまりよくない感じなので、方法としてあともう2回同じ抗がん剤で治療をするか、イレッサに切り替えるかのどちらかを選ぶことになりました。家族と相談しましたが、イレッサの説明を聞いて危険性もわかっていたので、子どもたちはなかなか結論が出ず、同意書に判を押さないでいるものですから、『私が自分で決めて先生を信じてイレッサにするから、もし何かあってもお母さんが勝手に選択したのだからで済むでしょう』ということで、自分でイレッサの治療を受けることに決めました。

イレッサに切り替えてから、最初はすごい脱水症状になり、食事や水を少し口にすると吐くような状態が2日くらい続きました。担当医が『1週間くらい休みましょう』と言って、その間に先生方が相談してくださいました。『今止めたら今までの効果がはっきりとわからないから、やはりイレッサを続けましょう』ということになり、緩和の先生にも連携を取っていただいて結局、担当医、主治医、緩和の先生が常に相談しながら、実によくみてくださいました。 1週間休んだ後、くすりの飲み方が変わり、最初は1週間飲んで1週間休むというやり方でしたが、次は1日おきに飲むというやり方でした。お陰さまでそれが私にすごく合ったのか、今度は何の症状もなく、たいした苦痛もなく、結局『良かったね』ということで現在もイレッサを続けています。 」

イレッサ®錠 (一般名:ゲフィチニブ)
肺がんの治療に使われる抗がん剤の一種。がん細胞だけでなく正常な細胞にも作用する従来の抗がん剤とは異なり、がん細胞の増殖や転移などに関わる特定の分子をターゲットにする「分子標的薬」という新しい抗がん剤。手術適応のない再発した非小細胞肺がんの患者さんに使われるが、有効となるタイプの患者さんは限られていると言われている。また重大な副作用(間質性肺炎)が現れることもあり、使用にあたっては十分な注意が必要とされている。