がんと向き合う

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川崎 優子さん
川崎 優子さん
(かわさき・ゆうこ)
兵庫県立大学看護学部助教。専門はがん看護、遺伝看護。日本緩和医療学会の緩和ケア普及啓発事業『オレンジバルーンプロジェクト』の事務局を担当。週に1度、兵庫県立がんセンターのがん相談支援センターで相談員をしている。
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4主役は患者さん

「がん患者さんは、がんと診断されたときに多かれ少なかれ衝撃を受けます。そのあと治療が始まると、医療者が主役、患者さんが脇役になってしまう場合があります。たとえば患者さんはいろいろな症状が出てきても、そこは医療者に任せて『もう仕様がない』と諦めてしまう場合があります。しかしどんなときも患者さんがやはり主役です。症状をコントロールしたり薬を投与したりするのは医療者ですが、症状がどの程度かということは患者さん自身にしかわからないので、そうした情報を伝えていただくことはとても大切です。そういう意味からもやはり"患者さんは脇役ではなく、主役である"ということを心の片隅にもっていただけたらと思います。」

●痛みを伝えてほしい

「患者さんのなかには、『がんが体のなかにあるので、痛みがあって当然』とか、『治療を受けているので、これぐらいの痛みは我慢しなければいけない』と思っている方がいらっしゃいます。けれども今、痛みは90%以上とることができます。ですから、ご自分でご自分の体を把握することがまずいちばん大事です。痛みがどの程度か、どれぐらい続いているかをご自分でメモして、それを医療者にみせていただくことによって、医療者が早い段階から適切なお薬を使うことができると思います。ですから、まずは諦めないこと。あとは、症状が強いときはしんどいかもしれませんが、症状が少し安定したら力もわいてくると思いますので、そうしたときにご自分から積極的にメモをして情報を医療者と共有していただくこと、それがひとつ私からお伝えできることだと思っています。」