がんと向き合う

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桜井なおみさん
桜井なおみさん
(さくらい・なおみ)
キャンサーソリューションズ(株)代表取締役
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1967年生まれ。37歳のときに乳がんが見つかり、右乳房切除術と化学療法(FEC)およびホルモン療法を受ける。がんサバイバーとしてがん患者の就労支援、さらに東日本大震災で被災されたがん患者の支援に国内外を奔走。家族は夫。ブログ:Since37歳★New癌★Survivor
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5乳がんの手術

「いろいろ検査を受けて、7月30日に右側乳房切除という手術を受けました。リハビリとかいろいろして、退院したのは終戦記念日。もうがんとは終戦しようと思って終戦記念日を選んだのです。しかし実は終戦ではなくてこれからだったのだなということが、あとから気がついたのですが、いちおうその日に退院をしました。」

●化学療法

「そのあと病理の結果を聞いて、まず聞かれたのが『子供を産むかどうか』ということです。相方といろいろ相談をしたのですが、子供は産んで育てるほうがたいへんで、それだけの体力にやはり自信がもてないので、『もういいです』と言うと、『では抗がん剤治療をやりましょう』ということになりました。それで9月1日から1月半ばぐらいまで、化学療法(FEC)を6クール受けました。」

●職場への復帰

「抗がん剤治療が終わって髪の毛がちょっと戻りだしたぐらいで、4月1日から復職をしました。ホルモン療法を少し始めていたのと、化学療法のときに一生懸命、食べよう食べようと食べていたのですよね。結構、太ったのです。最初と比べて5キロ以上、太りました。だから皆に『すごく色艶いいじゃん』と言われて。ただ髪の毛はまだはえそろっていなかったので、キャップをかぶっていたのです。わりとそういうのが普通なファッションの事務所だったので、違和感がないのです。だから皆『もう普通に戻ったんだな』という状態でした。でも自分の心のなかでは、働きたい自分といろいろ障害を感じてしまう自分がいて、そこは心の葛藤がありました。」

●リンパ浮腫

「(手術で)リンパ節をとったことで、右手のリンパの流れが少し悪くなっていました。虫にさされたり、腫れがひきにくくなったりする可能性はかなり高いと言われました。蚊とかならまだいいのですが、(建設)現場なので、蜂とかいますからね。それはちょっとまずいなと思いました。

1回、蚊に刺されたことがあり、右手と左手で腫れの引き方が確かに違いました。気をつけなきゃと思ったのと、設計事務所なので模型を作ったりするのですが、復職して最初の頃、何かそういうことを手伝ったりしていたら、腫れてきたのです。『えーっ。これが浮腫なんだ』と。そこでいろんな壁にぶつかり始めました。

皆は『半年休んでいるからもう治って帰ってきた』と思っているのですけど、実は治っていないわけです。元には戻れない(元のようには働けない)ですし、(皆には)『どうしたのかな』と思われて。それは言ってもなかなか理解はされないので、そこは非常に苦労しました。」