がんと向き合う

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佐藤千津子 さん
(さとう・ちづこ)
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小腸がん体験者。1971年生まれ。盛岡で服飾の事業、家事、育児をこなすなか、2005年(34歳)に出張先で異様な血便を経験。地元で検査をするも何も見つからず、2007年に専用内視鏡で小腸(空腸)に腫瘍が見つかる。手術後、抗がん剤により延命中、滋賀で腹膜播種専門医の手術を受け、命をつないでもらう。人工肛門を2つ造設。ワクチン療法等を受け、現在も抗がん剤を服薬中。朝晩の瞑想を日課とする。ブログ:千の道
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6夫婦で話し合ったこと

「実はこの時、病院にお願いをして1日だけお時間をいただいて、夫婦でいろいろと話をする機会を作ってもらったのです。ふたりでこれからのことをお話しなくてはいけないと思って、私からお願いをして、1日だけ京都に泊まりました。

私は走るように治療、手術、治療をやってきた半年だったので、その7ヵ月目になるとき、本当にもう死ぬであろうと思っている心境の中で、痛みとか苦痛があり、よいことは考えられない状況でした。考えてはいましたけど、考えられないというのが本当のところで、もし私がどうにかなったときのこととか、主人とは本当に現実的なお話をしなければいけないと思ったのですね。言葉では『大丈夫だよ』『治るよ』と家族や周りは言うけれども、でもそうではなくて、本当に現実的なお話をちゃんとしなくてはいけないと思って。もし私が病気によってその日が来てしまったならば、お家のことをどうするかとか、たとえば子供たちはどうしていくかとか、本当に家族としての生活の営みと今後のことをもっとちゃんと具体的に決めておかなければいけないと思い、そういった話し合いをして私の思いを伝えておくべきだろうと思って、1日もらいました。

さらに、たいへん迷惑をかけてしまっていることに対して、私はまだ30代で、主人も働き盛りの歳に、こういうことになってしまって、本当に申し訳ないということをちゃんと伝えてからと思い、その日は食事をとりながら主人とすべての話をしたつもりです。」