がんと向き合う

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佐藤千津子 さん
(さとう・ちづこ)
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小腸がん体験者。1971年生まれ。盛岡で服飾の事業、家事、育児をこなすなか、2005年(34歳)に出張先で異様な血便を経験。地元で検査をするも何も見つからず、2007年に専用内視鏡で小腸(空腸)に腫瘍が見つかる。手術後、抗がん剤により延命中、滋賀で腹膜播種専門医の手術を受け、命をつないでもらう。人工肛門を2つ造設。ワクチン療法等を受け、現在も抗がん剤を服薬中。朝晩の瞑想を日課とする。ブログ:千の道
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12現在の生活

「あとはまた通常通り抗がん剤(TS-1)を服用して、そのまま現在に至るという感じです。ただ中間に何度も脱水で入院はしています。3日入院とかその程度ですけど、脱水になると一歩も動けなくなり、水分が抜けるので老婆のようにしわしわになります。そして筋肉に力が入らなくなる。『あぁ人間の体って水が必要なんだな』と本当に思うくらい、階段なんか上れないのです。副作用で下痢になるので、脱水になって、3日ぐらい入って、また戻って、抗がん剤の休薬が少しあって、また抗がん剤が始まって、後半下痢になって脱水になって・・・という調子です。

ただ最近、『人間の体ってすごいな』と思うのが、腸が学習をしてくのです。切った当時は水のような便だったのに、腸が『あれ?もっとこういう仕事をしなきゃいけないんじゃないの?』と多分しているのですよね。なのでだんだん便ができてくるようになって、体重も今は40kgくらいまで戻りました。この3年をかけて戻ったので、やはり腸ががんばってくれたおかげというか。体重が1kg増えるごとに元気に動けるようになるのです。極端な話、1kg体重が増えると1km先に歩けるようになるというくらい、体重の増加が自分に元気をくれました。歩けるようになると、ご飯の量が食べられるようになるのですよね。」

●食事で気をつけていること

「大阪の先生に言われたのが、『動物性脂肪というのは、魚であろうが肉であろうが、焼いた脂がよくない。消化器官が弱い人にとっては、よくないから煮魚にしたほうがよい』ということ。脂が焼けたときにできる成分が、どうやらがん細胞を作ってしまうその要因になるということがわかり、だからそれを煮たものにする。たとえばお肉を食べたくても、しゃぶしゃぶのような1回火を通して脂を抜いたり、ささみ肉にして食べたり、お魚だったら煮魚にしたり、さらに生姜を入れてみようとかいろんな工夫をして、母の味のようなものにして、改善をしていく。そのうちに体重がちょっとずつ増えて、動くとまたお腹がすくから食べる、食べると元気になるからまた動ける、という一連のサイクルが今の元気さを作ったのかなと思っています。なおかつそれが免疫アップというか、病気に対しても非常に効果的に働き、その元気が病気に打ち克っているのではなかろうかなと、勝手に思っています。」

●身体を温める

「入院しながら『体を温める』のは絶対していました。腹巻をする靴下を履くということプラス、やはり体を温めるためにホッカイロみたいなものをべたっと貼っていました。なおかつ当時、入院先の売店でがん情報が載っているような雑誌をすべて買って読んで、フコイダンがいいとかタヒボ茶がいいとか書いてあったものは飲んでいました。砂糖類はダメだよと言われれば、白糖を使ったものは絶対飲まなかったり、白糖を使った料理を食べなかったり。お家でも料理には上白糖を使わないで、てんさい糖を使うとか、それが目に見える結果ではなくても『やらないよりはいい』と思ってやっていました。お菓子も本当に食べなくなって、もともと料理は好きだったので、食べたいときは作って食べています。

私は仕事をしていたときからスタンス的には、『物事というのは情報が必要だ』といつも思っていて、『知らないよりは知っていたほうがいい』、あとからわかって『なんであの時見ていなかったのだろうというのはいやだ』といつも言ってきました。それがそのまま自分の病気にもあてはまってしまって。私のスタンスは『すべてを見たい、すべてを知りたい』という感じでした。」

●毎日歩く

「やはり少し運動もしなければいけないだろうと思い、なるべく歩くようにしています。自分の体調と相談してですけど、体調がいいときは7〜8キロ歩いたりしています。」