がんと向き合う

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花井美紀 さん
(はない・みき)
父親の直腸がん闘病をきっかけに患者会の「ミーネット」を主催する。名古屋市と協働で名古屋市がん相談情報サロン「ピアネット」も運営している。会員は名古屋市内外から550〜600名。がんのピアサポーター養成講座を開催するなど、がん体験者だからこそできる支援の在り方を模索し、実践している。
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9ピアサポーターへのフォロー

「やはり、定期的にフォローアップすることを心がけています。ピアサポーターのみなさんは非常に勉強熱心で、会員の方にいろいろながんの講演会などの情報を送りますと、たくさんの方が出席されています。私なども、たまたまよそで行われている講演会に行って、何人もピアサポーターに巡り会うという経験をしています。

だから、情報の更新は非常に大切で、早いスパンでがんの情報は変わっていきますよね。その意味ではピアサポーターの方々の自主的な勉強熱心さに非常に感服しています。あとは、ホームページやブログなどでも、日々気づいたこととか共有してほしい情報を発信していくことをできるだけ心がけています。」

●ピアサポーターの効果

「ご相談対応を受けたあとで、話し合っているうちに暗い表情であった方がだんだんと明るくなって、ご自分自身で頑張るという言葉を残されて、明るい表情で帰って行かれるときに、サポーター自身も非常にやりがいを持つわけですよね。

ただ、今まで、ご利用いただいた方というかご相談を受けた方からほとんどクレームがないということがあります。だからと言って、私たちの対応が100%正しいということではないのですね。がんの領域のピアサポートは、黎明期から発展期に向おうとしている。ほんとに、その扉に立ったところで、何が正しくて、『こういう時はこう』というものが、まだないのです。だからこそ、今後は、ほんとに私たちのピアサポーター、ピアサポートがいい効果を生んでいるのだろうか、どうなのかということを、きちんと検証していく必要があると思うのです。

もしかしたら、ご相談をしてくださった方々は、ご不満を抱えながらも、『この人たちもがんにかかって辛い思いをしているのだから、そんなことは言うべきではない』と思って、許していただいているケースというのも意外と多いのではないかなとも思ったりします。

そこで、ここまで病院に門戸を開いていただいて、相互協力のもとに成り立っているピアサポートですので、病院の方々に協力していただきながら、今後は、ピアサポートを受けてどうでしたかとか、きちんとアンケートを書いてもらって、私たちのピアサポートが本当に患者さんに支持されているのかどうかを、きちんと示していきたいなぁと思っています。医師をはじめ、すべての医療スタッフの方に理解されるだけでなく、支持されるピアサポートを作り上げていくには、それは欠かせないことではないかなと思っています。」