がんと向き合う

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河村 裕美さん
河村 裕美さん
(かわむら・ひろみ)
熱海市出身。静岡県庁勤務。1999年(32歳)に結婚。結婚して1週間後に子宮頸がんを宣告され、手術を受ける。闘病中の経験から、女性特有のがんサポートグループ「オレンジティ」を設立。子宮頸がんの啓発活動ティール&ホワイトリボンキャンペーン理事長。著書に『グローバルマザー』(2012年 静岡新聞社刊)。
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3術後の治療

「治療というのは特にないのですが、検査のために、月に1回病院に通っていました。私は腺がんで、放射線と抗がん剤が効きにくいがんで、それらはやっても仕様がないというのでやらなかったのです。ですから、プラスアルファの治療はなかったのですが、後遺症の更年期障害、卵巣欠落症候群が結構きつく、汗がだらだら出てきたり、めまいがしたり、飛蚊症といって、目の前に蚊が飛んでいるように見えたり、そうした症状が続いて、イライラしてしまいました。それも普通のイライラではなく、本当に周りに被害を及ぼしてしまうようなイライラが続きました。

先生に相談したところ、プレマリンという女性ホルモンを補充する方法があるというのを聞いて、それを飲み始めました。飲み始めてびっくりしたのは、2日3日経つと、本当にこのへんのモヤモヤした雲のようなものがきれいに晴れてしまったように気分がよくなるのです。滝のように汗が出たり、めまいがしていたのがウソのように引いてなくなるのです。その薬をもう止められなくなり、ずっと続けていました。

するとしばらくして『プレマリンを長く続けると乳がんの危険性が高くなる』という論文が出て、それを読んで怖くなったのです。またがんになるということがすごく怖くて、一旦プレマリンを止めて、漢方薬にしてみたのですがその漢方薬が合わず、結局(薬を)しばらく止めていたら、家族とのいさかいが絶えなくなってしまいました。(イライラしているときは)かなり家族を攻撃してしまうのですよね。家族を傷つけるようなことを平気で言ってしまう自分と、そんなことを普段言わない自分がいて、何か二重人格のようになっているのです。 こんなことを言ったらいけないと思いながらだんだんエスカレートして、本当にヒステリックな状態になってしまいました。夫ももう疲れ果てていたので、私も困り果ててもう一度,婦人科の先生に相談に行きました。『プレマリンを飲むのは(症状がよくなって)いいのだけれど、やはりちょっと怖い』と話をしたところ、パッチを紹介されて、今はそのパッチを貼っています。

パッチは女性ホルモンを補充するもので、プレマリンほど自分で実感できるような効果はないのですが、夫は『貼っているときと貼っていないときがわかる!』というくらい、やはり効果はあります。」

●全身的に診てくれる人はいない

「9月4日に退院して、それまでがん患者だったのですが、退院したとたんにがんがとれて、ただの患者になりました。

がん患者はやはり、がんに対する手厚い看護があったり、知識をくれる方たちがいたのですが、それを一歩出てしまうともうただの患者になってしまい、今度は全身的な後遺症や心のケアをしてくれる人がいなくなってしまいます。外来に行っても、先生はがんのことは話をしてくれるけれども、プラスアルファのことについてはほとんどお話をしてくださらないわけです。知識として教えてはくれるけれども、それをいかに過ごしていくかということについてはあまりお話しされないのです。全て専門科になっているので難しいのでしょう。リンパ浮腫という子宮頸がん特有の後遺症があるのですが、その話をすると、それは血液関係の病気なのか、『そちらに行ってください』と言われるのです。」