がんと向き合う

大腸がん 小腸がん 肺がん 膵臓がん 乳がん 子宮頸がん 卵巣がん 緩和ケア +plus イベント おしらせ
河村 裕美さん
河村 裕美さん
(かわむら・ひろみ)
熱海市出身。静岡県庁勤務。1999年(32歳)に結婚。結婚して1週間後に子宮頸がんを宣告され、手術を受ける。闘病中の経験から、女性特有のがんサポートグループ「オレンジティ」を設立。子宮頸がんの啓発活動ティール&ホワイトリボンキャンペーン理事長。著書に『グローバルマザー』(2012年 静岡新聞社刊)。
movieImage
7同じ患者さんを助けるために

「たとえばリンパ浮腫になるとか、セックスに問題が起こるとか、そういうことは医療者の口からも充分に聞ける話なのです。ただ実際、それをいかに生活に取り入れるかというと、それはやはり医療者の方たちも自分が体験していないのでほとんどわからない世界なのですね。たとえばセックスの問題だと、どういった体位でやるのだとか、どういったものを使ったらいいのかとか、そんなことは先生たちには計り知れない世界なわけです。そこを埋めていくのはやはり患者会であったり、同じ病気をした先輩であったりとなると思うのです。やはり医療の分野に患者会が入っていないというのがあり、(お互いが)今すごく隔離された世界で、患者会は患者会、医療者は医療者、社会的・経済的に困ればまた別のところ、というように非常に分散されている印象があります。それがトータルコーディネートされてひとつのケアというところに向かっていけばいいなと思っています。そこは私自身がいちばん困ったところでもあったので、それを実現するためにオレンジティを立ち上げて活動しています。」

●予防の大切さを伝えたい

「オレンジティはもともと患者さんのサポートから始まりました。サポートをしているとだんだん亡くなってくる方が出てきて、『もしかしたらこの人は検診をもっと早くに受けていれば助かったかもしれない』と思うこともありました。特に若い方にそういう方が多かったのです。それを考えるとやはり病気にならない、予防するということも非常に大切だなと思うようになり、ここ4年ぐらいの間に、『検診を受けよう!』というキャンペーンを地元の静岡で行うようになりました。

写真:ティール&ホワイトリボン
ティール&ホワイトリボン
(子宮頸がん啓発活動の
シンボルマーク)
また昨年、たまたまアメリカに視察旅行に行かせていただき、そこで『Teal & White Ribbon(ティール&ホワイトリボン)』という子宮頸がんのリボンがあることを知りました(図参照)。これをシンボリックなものとして活動を広げていこうということで2007年から日本でも始めて、2008年からはキャンサーネットジャパン、ブーゲンビリア、スマイリーの方たちの協力も得て、ティール&ホワイトリボンキャンペーンという啓発活動を行っています。

(キャンペーンの内容は)検診(の啓発)と、患者さんのサポート、それと就労の機会を与えようということ。今度ワクチンが認証されるのが目前に控えていますが、そのワクチンは非常に高い効果が海外でも認められています。12〜13歳の子供たちに打つことになるのですが、正しい性教育と、病気に対する正しい理解をしてもらいたいということ、ワクチンを誰でも平等に打てるようにしてほしいということを訴えています。そして子宮頸がんをたくさんの方に知っていただくということ、この5つの柱で今活動しています。」