がんと向き合う

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河村 裕美さん
眞島 喜幸さん
(まじま・よしゆき)
NPO法人パンキャンジャパン 事務局長
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2006年春に妹さん(当時49歳)を膵臓がんで亡くす。その年に、膵臓がんの患者支援団体「パンキャンジャパン」を立ち上げ、現在、米国のPanCANと連携して膵臓がん患者と家族の支援活動を積極的に行っている。サイトでは、膵臓がんに関する最新情報のほか、米国の膵臓がんサバイバーの方の話も紹介している。
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2標準治療を受ける

「(担当は)内科のレジデントの先生だったのですが、その方は抗がん剤治療の経験が豊富だったというわけではないのですね。英語だとby the bookと言いますが、標準治療という形でその方がしてくださったのです。それはそれで非常によかったかなと思います。なぜかと言うと、病院によってはもう諦めてしまって、抗がん剤治療も十分な形では施さないというようなことも言われていたので、その先生が、内部的には非常にたいへんだったかもしれないのですが、きちんとした形で対応してくださったことは、たいへんありがたいと思いました。

膵臓がんの標準治療は今から4年前(2004年)だと、ジェムザールという抗がん剤1本なのですね。『3投1休』と言って、それで治療するのが標準治療で、選択肢はその治療をしないか、していただくかというところなのです。当然うちの妹もやはりしていただく、それも早く、待つことなくやっていただくということでお願いしました。」

●抗がん剤治療の効果

「治療がどれほどうまくいっているかというのを見るのに、CA19-9というテスト(腫瘍マーカー)があります。それを見ていくと、最初は確か妹の場合300U/mLから600 U/mLぐらいに上がってきたと思うのですが、治療が始まるとそれがみるみる下がっていきました。それでだいたい10いくつまで下がったのですかね。ですから妹の場合、ジェムザールは効いたケースだったのです。お陰さまでそれで順調に進みました。抗がん剤ですから、食欲不振とか吐き気とかの副作用がいろいろありますが、妹の場合は吐き気止めを採っていて、それほど副作用に苦しんだというようなことはなかったです。

もともと背中に痛みがあり、それから胃がおかしいというようなことを訴えていました。ですから背中と胸によく湿布を貼り、ひどくなった時はモルヒネ系のお薬も採っていました。」

●病院を移る

「抗がん剤は1クールで終わり、それで転院しました。そして新しい病院で同じようにジェムザールによる抗がん剤治療を続けさせていただきました。

転院した後は、外来で抗がん剤治療を受けていました。ですから週に1回注射を受けに行っていました。その日は妹の主人が休みをとり、車で妹を病院まで連れて行ってというパターンをずっと繰り返していました。」

●外出時はマスクをつける

「抗がん剤治療を受けると白血球が下がってくるのですね。そうすると感染症の心配が出てきますので、妹はいつもマスクをして、外へ出たあと帰ってくると必ずうがいと手洗いをしていました。そして人混みに出ないようにしていました。どこかへ移動するのも、主人が車を運転して車で移動していました。ですからある意味、恵まれていたのですよね。

入院したのは最初の検査入院の時だけですね。転院してからは外来治療で、ほとんどを家族と過ごすことができたのはよかったと思います。」

●週に1回、気功の先生に元気をもらう

「妹の主人の会社の、得意先の社長さんから気功の先生を紹介されました。その気功の先生に週に1回来ていただいて、診ていただきました。私もその気功というのは全然知らなかったのですが、妹に言わせると『気功は、施しを受けると体が温まる』と。妹の主人も同じことを言っていて、それでかなり元気をもらったみたいですね。」