統合失調症と向き合う

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岡崎 祐士さん
岡崎 祐士さん
(おかざき・ゆうじ)
都立松沢病院 院長
1943年熊本県生まれ。東京大学医学部卒業。長崎大学助教授、三重大学教授などを経て、現在、精神科病院ながら内科・外科等の諸科を有する東京都立松沢病院院長として精神科医療に従事。日本統合失調症学会理事長、日本精神神経学会理事なども務めている。
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4ご家族へのメッセージ
●本人の自立を援助する立場で

「話がちょっとそれますけども、イギリスではご家族が統合失調症を中心とする精神病の治療にどれぐらい貢献しているかということを、金額で計算したんです。そうしますと社会が統合失調症の医療や保健や福祉のためにかけている、その経費の半分以上に相当する役割を果たしている、貢献しているということがわかりましたので、その家族支援法、ケアラーズアクトと言うんですけども、ご家族がたいへんな立場にあるから支援しなくちゃいけないと法律的にも明らかにして支援するようになりました。ご家族がそういうふうに支援を受けてみると、ご本人の病気の治りまで良くなったということのエビデンス(証拠)が報告されましてね。今、それが非常に注目されているということがあります。

ですから、ご家族はそういう立場にあります。だけどときどきご家族があまりにも深く関わりすぎて、患者さんご自身(の)自立していこうという力を促進していないという関わり方もあるんですね。やっぱり基本は、病気を克服するのはご本人ですので、ご本人が闘って、自分の障害を克服していくのを援助するという立場で、ご家族(に)はぜひ関わっていただいて、ご自分たちだけで全部を引き受けないでいただくというのがいいんじゃないかと思っています。」

*ケアラーズアクト:イギリスでは、1995年に介護者・家族を支援する法律『Carers ACT』が施行され、1999年からは「精神保健対策10カ年計画」が始まり、家族支援と早期介入に力が入れられている。
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