統合失調症と向き合う

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藤井康男さん
萱間真美さん
(かやま まみ)
聖路加看護大学精神科看護教授
1986年聖路加看護大学卒業。質的研究方法を用いて、ケア技術やさまざまな状況にあるケア対象者の主観的体験に関する多くの研究に参画している。精神障害者の退院促進および地域ケアを支えるサービス提供のあり方、精神科訪問看護の実態と効果なども研究。
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5手続きについて
Q.訪問看護を受けたい場合、どのような手続きが必要ですか

「例えば、この病院の人にお願いしたいというようなことでしたら、病院の窓口となるPSWなり、あるいは看護師かもしれませんし、医師の場合もありますけれども、そちらの病院にご連絡をなさって、例えば、ホームページで訪問が受けられるということを知って、こういう事情で、こういうケアを受けたいのでということを病院にご相談されると良いと思います。

それから、近くに訪問看護ステーションがあって、病院ということではなく、訪問看護ステーションから来てもらいたいというような場合には、訪問看護ステーションもホームページ上に情報を出すということが義務としてありますので、そういったところで見つけていただいて、お電話をいただいて、ご相談いただければ、『では、指示書をいただくのに、このような先生方の診察を受けていただいて』というようなこともあると思います。

それから、今かかっていらっしゃる精神科の主治医、あるいは内科等の主治医がいらっしゃるようでしたら、まず、そこに相談をされて、その先生がご存知の病院ですとか(訪問看護)ステーションを紹介されるということもあると思います。

医療に全然かかっていらっしゃらない方、問題があってもまだちょっと相談ができていないという方は、市区町村にあります“精神保健相談の窓口”。そちらは、保健師でしたり、PSWでしたり、いろんな専門職がいます。今は『市区町村』がいちばんの相談窓口になっていますので、そういったところにお電話されて、事情を話されれば担当の者に代わってもらえると思いますので、そこが最初の相談でも構いません。

あとは、地域にあります“相談支援事業者”、それから“地域活動支援センター”というようなところも、その地域の社会資源をご紹介することができますので、いちばん相談しやすい人に、まず相談をされて、そこからしかるべき窓口につないでもらえますのでご相談いただければと思います。」

Q.病院やクリニックに行けない方の場合は?

「例えば、今、行っている国の“アウトリーチ推進事業”は、未治療の方や治療中断の方でそういったご相談があった場合、それはやっぱり市区町村とか保健所とかにご相談いただいて、そこを窓口にして、『(医療機関に)いらっしゃることがすごく難しいので、最初に訪問をしてみましょう』というようなことをアウトリーチチームで行うこともあります。

それから、行政の、市区町村や保健所の保健師さんなどは、ご相談をいただいて、病院に行くことが難しいという理由がある場合には訪問から始めるというのも、今までもずっとしてきていますので、それは率直に『行くのが難しい、行きたくない、だけれども問題が大きくなりそうだ』と言っていただければ、そういった対処ができます。」

Q.訪問看護の費用を教えてください

「介護保険と医療保険と両方の制度があるのですが、医療保険の場合には、本人3割負担というのは、通常の医療と同じですけれども、“自立支援医療”、今は“総合福祉法”と言われる法律がありますけれども、“自立支援医療”と言われている医療を受けられるよう、申請が必要なのですけれども、そうなりますと1割負担。あるいは、所得が低い場合には負担はなし。生活保護の方も自己負担はありません。自立支援医療の1割自己負担の部分も、都道府県によっては都道府県が負担するというところがありますので、経済状態などをご相談いただいて、軽減される道がいろいろありますので、そこもご相談いただければと思います。」

Q.訪問看護の回数に制限はあるのでしょうか

「今のところは、週5回まで訪問ができるようになっているのですが、1日で算定できるのは1回までです。だから、1日のうちに何回も伺うということはできないのと、それから週5回までとなっています。

“特別指示”というのがありまして、症状が悪くなっているので、この週だけはあと2回、つまり週に7回、1日1回伺うというのは、制度上できるようになっています。7回以上、ケアが必要な場合には、地域でこのままやっていけるか、それとも少しグループホームのようなところを活用されたりとかがいいか、考えどころなのかなぁと思うのですけれども、今のところは、制度上はそういう制限があります。」

Q.訪問1回の時間は?

「今は、短時間15分の訪問、30分の訪問、45分の訪問、1時間の訪問と分かれています。それは最初の契約の時に、それによっても料金が違いますので、1回はだいたいどの位というのをご相談させていただいて、それで決めるというようになるかと思います。」

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