統合失調症と向き合う

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しなちゃん
石津 彰之さん
(いしづ・あきゆき)
1981年(昭和56年)生まれ、27歳。22歳で入院、治療。現在はクラブハウス「ForUsフォーラス」 のメンバーで、地域の講演会、家族相談会などで話す機会が多くなり、クラブハウスのWRAP(ラップ)のファシリテーターとしても活動中。通院は月に1回。
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2受診のきっかけ
●専門学校卒業後、家に引きこもる

「2001年の春頃でしたか。専門学校と短大に行っていたんですけど、短大のほうはちょっと中退という形になっちゃったんですけど、専門学校は卒業して、卒業先の進学とか就職とかが全然決まらなくて、結局、家に半年ぐらい引き込もっていて。なんかもう調子がそのときから悪くて。実はそのときから周りの友達は心配してくれていて、でもそれにはなんかよく分からないっていう状態でした。両親から、お前は病気だ病気だっていうふうに攻撃的に言われていました、その当時は。だから正直、あせったというかもう真っ白になったというか、パニクってたっていうか、ま、今でいうテンパってるとかっていう表現になっちゃうんですけど、まーそういう感じになっていました。」

●医療保護入院

「母親から、クリニックみたいな病院に行かされて、心療内科を受けたら、何か調子がおかしそうだってその担当の先生から言われて、それで総合病院で外来を受診したときに、精神分裂症と言われている症状が出てたらしくて、その精神分裂症を治すために、とりあえず入院が必要だと言われたので、初診の外来で入院が決まりました。入院して1日、2日も経たない間に急に病名が変わり、そのとき初めて、統合失調症っていう病名が分かりました。 いやあ、自分はこの病気のことや病名、その症状だとか薬のことやなんかまったく興味なかったんで、医療系の学校行ってたわけでもなくって、一般人だったんですよね、要するに。その、親が勝手に調べちゃったんですよね。で、お前は病気だから入院させるとかっていう、なんかそういうふうに言われて。医療保護(入院)だったんですけどね、最初の(入院は)。措置(入院)とかじゃなかったんですけど。」

医療保護入院:精神障害者で、入院を要すると精神保健指定医によって診断された場合、精神科病院の管理者は本人の同意がなくても、保護者の同意により、精神科病院に入院させることができる制度。

●入院中の気持ち

「その精神科に行くときが、最初のときはすごいもう嫌だったんですよ。病院行くのも嫌だし、外来行くのも嫌だったし。主治医から親と同伴しないとダメだって言われて、自分が一人で(病院に)行くという話じゃなく、両親から強引に、もう病院病院って言われちゃうぐらいだから。なんでオレはいっつも病院に行かされなきゃいけないんだろうとかってすごく悩んだ時期もあったんですね。その発症の当時は22歳だったし、なんで若い世代にね、病院に入らされなきゃいけないんだって、すごい感情に起伏があって。普通だったら就職したりとかアルバイトして、仕事して、家庭持ったり生活したりするのが普通の一般的な一般ピープルの話なのに、なんで自分は薬を大量に飲まされたり、入院させられたり。6人部屋だったんですけど、なんか病院に縛られたっていうか、そんな感じがして。で、その入院している最中にも、学生のときの友人達が、同窓会があったときも自分を誘ってくれたんだけど、看護師が行っちゃダメだとか、親からもそんなとこに行くような、お前身分かっていうふうに言われるし、そうなっちゃうと結局なんか孤立しちゃうよなー、とかって、当時は思いましたね。」

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