統合失調症と向き合う

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渥美正明さん
渥美正明さん
(あつみ・まさあき)
44歳、男性。16歳から引きこもりになり、23歳で統合失調症と診断された。2回の入院を体験し、現在は、服薬とデイケアなどで入院することなく症状が安定している。地域活性化のボランティア活動に参加している。母親、妹と3人暮らし。
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5一番辛かったとき

「一番辛かったときはやっぱり薬が合わなかったときでしょうね。不安定になるとか、まあ先ほどからずっとお話しさせていただいたんですけど、そのつどそのつど、先生が変わるたびに出す薬が合わなければ、また次の先生に変わればまた次の先生にと、どんどんどんどん薬が増えていっちゃうタイプの先生とかいるでしょう。これわからないんですよ、ほんと当事者の立場として立ってみないとね。その時期によって、担当医が変わっちゃうもので、病棟を移るたびに、自分のいる病棟にまた新しい先生が入ってくれば、またその先生によって、一人一人のタイプが違いますから先生によっても薬の出し方も違うし。

今の先生になる前の先生まではちゃんと今の先生への引き継ぎってありましたけど。例えば1錠増やしてみようかなって、増やしてあげなきゃならないなとかって1錠飲んだ分だけ病態がぜんぜんコントロールされちゃうわけですよ、薬によってね。障害の、当事者の立場としてね。やっぱし入院する前に、やっぱし最初の入院、初めて入院生活を送るときに一度精神科の、ちゃんとした医療機関の先生が出してくれる(薬)を飲んじゃうと、薬によって、例えば徘徊しちゃうような方もいますし、よだれをたらしちゃったりそういった人もいますし、眼球上転(がんきゅうじょうてん)と言って目が上がっちゃう症状の出る方もしますし、手が振るえちゃって振るえちゃってというような、足がむずむずしてくれば食事するテーブルの周りをずっとぐるぐるぐるぐる回るといった症状というのはアカシジアなんだなって(いうの)は、心理の先生でもカウンセリングの先生でも、判断くだしていただいて、はじめてお互い職員さんとか先生とお話しして薬の調合とかをしなくちゃいけないなっていうことあるじゃないですか。で同じ薬ってことはありえないんですよ。そのつどそのつど、先生によっても、ずっと同じ薬を出してくださるとは限らないんです。例えば1錠増やしてあげなくちゃならないなとか、2錠減らしてあげなくちゃいけないなということはあると思います。

(僕は)目が上がりましたし、やっぱしその歩けなかったという(か)。例えばトイレ行きたいんだけどもオシッコしたいんだけどオシッコもらしちゃったとかそういうような。自分の目が上がっている面、下見て便器があるところかあるところじゃないかわからなかったというぐらい悪い状態の時期がありましたね。」

アカシジア:静座不能症あるいは着座不能症とも呼ばれる。抗精神病薬による錐体外路症状として出現することがある。じっとしていることができず座ったり立ったり、落ち着きなく、足がむずむずしたり、執拗に歩き回ったり、焦燥感、易刺激性、不安などの精神症状を示す。精神症状の悪化と誤診されやすい。抗パーキンソン病薬(抗コリン性)、βブロッカーやベンゾジアゼピン系の薬剤が処方される。また抗精神病薬の数や量を減らしたり、副作用の少ない薬剤に切り替えることで症状は改善される。
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