統合失調症と向き合う

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榎田伸也さん
榎田伸也さん
(えのきだ・しんや)
35歳、男性。22歳のときに発病し、2000年、26歳のときから2年間、入院を体験する。現在は2週間に1回通院。地域活動支援センター「ふらっと」を活用しながら、詩の創作他さまざまな活動に意欲的に取り組んでいる。両親、妹との4人家族。
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9就労について

「私は、一般就労を、一時期考えたこともありました。退院してからね。だけどもやっぱり無理だなと思ったんです。というのは、非常に緊張してしまうんですね。度合いが激しいというかね。で、緊張すると、精神的に不安定になったり、動悸がしたり、パニックを起こしたりということになって、症状がまた再発してしまう可能性が高い。再発すると再入院になってしまう。再発と再入院だけは絶対に避けたい。もう同じ思いはしたくないという思いから、一般就労はしない、働かないという選択を取ってるんですね。今は、一般就労以外の、先ほど述べたような当事者活動に生き甲斐を見い出しながら、むしろこれをライフワークとしながら生活しているという感じですね。

10年ほど前、1999年の4月にあるデザイン会社に就職したんですよ。その頃は、まだ統合失調症なんて自分ではわからないし、病名も知らない。で、落ち着いてきていたんですね、症状、状態が。だから薬を飲んでいなかったんですよ。で、会社に入った。上司とか上の先輩の人たちになんやかんや言われたことで、パニックになってしまったんですね。暴れはしなかったけども、止めていた薬も大量に飲んでしまって、2日目には辞表叩きつけてやめちゃったんですよ。

そういう経験もあったりしたので、なんて言うんかな、自分が調子悪くなっても働くのと、お金は入らないけど好きなことをやる、どっちを取るかといったら、やっぱり好きなほうを取る。こんなに苦しい思いをしている、してきたんだから、もう、今からの人生は楽しく生きていきたいなっていうのが本望ですね。」

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