統合失調症と向き合う

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倉田真奈美さん
倉田真奈美さん
(くらた まなみ)
41歳、夫と2人暮らし。22歳で精神科をはじめて受診。自殺未遂を繰り返すなど苦しみ続けたが、数年前から病気とのつき合い方が分かりかけてきたという。自己病名は、「統合失調感情障害・全力疾走ガス欠型・世話焼きアディクション」。調子を崩したときは短期入院で生活のバランスを取っている。現在は、WRAPやIPSなどのファシリテーターとして活躍中。
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収録後、「考え方が変わり、今は子どもを持つことを考えて薬を安全なものに変えたり、体質改善にウォーキングしたりしています。精神病の完治を、今信じています。そのために発病の引き金になった不妊症が避けて通れなくて、真っ正面から向き合いたいと思います。より前向きに自分の人生を選び取って自分でデザインして自分が主人公の生き方をしています。」とのメッセージが倉田さんから届いた。
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10病気に関する情報

「私は、あまりパソコンをしないので、情報源は限られているんですけれども、友達の口コミであったり、支援センターの職員、PSW(精神保健福祉士)であるとか。でも、自分で得る一番大きい情報源としては『こころの元気+(プラス)』というメンタルヘルスマガジンがとてもよくて、それを毎月購読して、勉強に励んでいます。

たまに奮発して本を買ったり、PSWが読み終わった本などを貸してもらったりして、読んで勉強したりします。」

●情報交換する仲間

「自然にできてきましたね。最初にそういう(WRAPやIPSの)ワークショップが、ちょうど去年(2009年)の今ぐらいに東京であって、そのときに緊急ワークショップに出たんですね。それが私の、ここ1年が変わった転機です。そこで飲み会とかに出て、友達ができて知り合いになって、また情報が回ってきて、そこからWRAPの集中クラスに出たり、ファシリテーター養成の研修に出たり。そしたら友達、知り合いが増えていく。で、今、自分一人でWRAPとかIPSをみんなに教えるというか一緒に勉強するような活動もしているんですが、そうすると、またさらに知り合いが増えてきて…。だからそういうふうに良いように増えていくんです。

お医者さんからは、そういうこと(生活面)は教えてくれないです。お医者さんはね、黙って症状を聞いて、ふんふんふんで書いて、『じゃ、お薬、いつものでいいですね、何日後に何週間後に来てください、お大事に』と言うだけですよね。基本的にお医者さんのスタンスってね。忙しいし時間もないし、患者さんもいっぱいいらっしゃるから、一つ一つ、生活面のこととか、そんな情報源まで教えてくれるわけはないから、ま、仲間内とかPSWとか、支援センターとか人が集まるところに行って、口コミ、口伝いに聞くというのが一番近いかな。今、私はパソコンを持っていないけれど、もしパソコンがある方は、パソコンで検索したらいろんなものが引っかかるので、ネットで調べるのも良いんじゃないかなと思います。」

●相談支援センター

「私は、最近は電話で相談することが多いのです。(支援センターに)出向くまでちょっと距離が何キロもあるので、自転車で行くのが大変なので。そこ(支援センター)で私がWRAPとかIPSをするとか、打ち合わせがあるという時だけ出向いて行って、あとは行かないので、不定期ですね。まあ、2週間に1回行くか行かないか。前は私、そこでコンシューマースタッフ、当事者の職員をしていたので、その時は毎日のように出勤して働いて、2年間働いていました。」

●働くきっかけ

「私は最初の離婚をしたときに、『精神保健福祉士になるんだあ!』という夢を、野望を抱いたんですね。そのためには、私は短大を出ていたので、2年間実務経験を積んだら専門学校に入れるという手順がありまして。そのために実務経験を2年間積ましてくれと、現在出入りしている支援センターの福祉法人の上司の方にかけあったんです。そしたら、この、どこの馬の骨とも分からない私を、『じゃ、雇う』と言って雇ってくれて、2年間雇っていただけたんですよ。

そのあとは、専門学校とかを受けたんだけれども、結局は私が四大卒(四年制大学卒業)ではなく、短大卒(短期大学卒業)だということで落とされてしまって。で、通信教育の大学にも入ったんだけれども、学費が作れなくて、毎回、毎年、停学というか休学をして、それで休学年度が一杯になってしまって、退学してしまったんですけれども。」

●新しい目標

「こちら(WRA、IPSPを広めること)のほうが、隙間産業じゃないけれども。精神保健福祉士はたくさんいらっしゃるし、健常者でも優秀な方が毎年たくさん輩出されているから、何も私があえてなる必要もないかなと思ったりして。自分の体験がすごく生きるような、みんなとつながりが持てて生きる、資格とまではいかなくても、このような作業、資格、役割をさせてもらうことのほうが私には向いているかなあと思います。

もっと早い段階で、例えば、医療関係者だけじゃなくて、福祉の人との接触があったりしてもっと早くにリカバリーの考えなどに触れていたら、もっと早く元気になれていたかもしれないけども、それはもう、今から言っても仕方がないことで。私は、この時期になるまでいろんな失敗をたくさん繰り返してきた中で、自分の力でつかみとってきたもので現在があるので、そういう失敗の体験がたくさんあるけれども、それをこれからは生かしていく?そういう感じにしたいと思います。」

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