統合失調症と向き合う

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藤崎伸一さん
藤さき伸一さん
(ふじさき しんいち)
昭和23(1948年)年生まれ、現在62歳。一人暮らし。入院は8回。長年にわたり辛い体験をし、「自分が最期を迎える場所は老人病棟かも」と思っていたそうだが、社会資源を利用することで今は仲間もでき、日本各地を旅行するほど、毎日を楽しく送っているという。
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6再入院:2回目

「(退院後)1年半か2年して、また入院しました。同じ病院です。

家のことを手伝ったり、なんか仕事しなくちゃいけないという気持ちはものすごく強いもので、何かあったらすぐ使ってもらおうかなあと思って、土木作業に行ったりしたんですけど、もう体力が続かないんですよね。スタミナがないというか、(家に)帰ってきたらぐったりしていました。で、仕事も、雨が降ったら休みだし、工期が終わったらもう、3か月ぐらいで仕事なくなるという、そういう不安がものすごくあったんですね。仕事さえすれば、自分はやっていけるんだがなあという気持ちがいっぱいあって…。入院するようになった時は、だいぶ悪くなっていたんですね。

3回目の退院の時は、外泊許可が出た時に、父が迎えに来たんですけど、自分は、ぱっとバスに乗って、職安で仕事をみつけて働いていました。ガス屋に入りました。ガスの配管です。

(3回目の入院は)半年ぐらいだったと思います。で、退院の許可がまだ降りていなかったんですけども、もう、自分で仕事を見つけて働いているので、『白衣を着てみんなの前で捕まえるのはかわいそうだから』と院長は言ったそうです。自分は聞いたわけじゃないんですけど。で、『薬だけ飲むように』と、それだけ言って…。そのまま、半年ぐらい働きました。

(病院から)逃げたような感じですよね。いや、もう会社の人に部屋を借りてもらって。その時、病院で、薬はもらっていません。病院に行かなかったです。」

●再入院:3回目

「(勤めてから)そのガス会社も、そんな長く勤まらなかったんですよね。やっぱり半年か1年ぐらいで悪くなって、今度は自宅の隣の町の病院に入院しました。

(入院は)4回目。自殺未遂しまして、強制的に入院させられました。部屋のアパートの管理人さんが、救急車を呼んで…。

妄想が広がってのぼり詰めて、またしばらくして現実に帰ってくると、だんだん自分は世の中に必要のない人間なんだなあって思うようになってくるんですよね。仕事もあまり続かないし、と思ってだんだんマイナスマイナスに考えて…。自殺未遂は3回ぐらいしています。」

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