統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
長友ゆみさん
長友ゆみさん
(ながとも ゆみ)
子どもの時から疲れやすく、人に合わせることが苦手だった。高校生の時に幻覚・妄想などの症状が出たことで精神科を受診する。高校を卒業後、北海道浦河町の “べてるの家”で11年間過ごし、現在は故郷に戻り、就労継続支援(A型)事業所(レストラン)で働いたりピア活動を行ったりしている。1人暮らし。収録日は長友さんの誕生日だった。
movieImage
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  >>
4“べてるの家”での生活について
Q.“べてるの家”での生活はいかがでしたか

「はじめは淋しくて、(実家に)帰りたいとずっと思っていたんですけど、やっぱり友達がたくさんできましたね。同じ苦しみ、同じ悩みを抱えた女性達とか、同じ年頃の若い人達がたくさんいて、ものすごく楽しかったですね。カラオケに行ったり、食事会をしたり、買い物に行ったり…。

(いたのは)11年間です。(自分の病名を知ったのは)やっぱり“べてる”に行ってからですね。

とにかくミーティングの多いところで、1日いろんな所でいろんなミーティングを行っているので、とにかくミーティングには参加していました。ちょっとした仕事もいろいろしていたのですけど、その仕事のミーティングとか、共同住居の中の住居ミーティングとか、恋愛依存症なので恋愛ミーティングとか、幻聴ミーティング、爆発ミーティング、いろんなミーティングがいっぱい、1日中何回もあるので、とにかく話していましたね。

やっぱりいろんな世界があるんだなと。出会いですね。やっぱりいろんな人との出会いがあって、みんな違った環境で生きてきて、苦労してきて、考え方も性格も価値観もまったく違う人達ばかりだったので、毎日驚きと発見でびっくり。どんちゃん騒ぎでしたね。『うわ、すごい』みたいな…。」

Q.“べてる”流自己分析で言うと?

「(私は)男性依存症です。

結構厳しいんですよね、みんなのアドバイスとかもね。だから、何でもありで、何でもオープンで、情報もものすごく素早く行き交って、ものすごく過ごしやすいし、助けてもらえるし、ものすごく充実はしているんですけど、その分、なんて言うか責任感というか、病気に対する厳しさ、自分で認識しなければいけないということはすごくありましたね。」

Q.飲んでいる薬は?

「薬は、はじめ(実家に)いた量の半分に減らしてもらって、はじめは合わなくて、男性の部屋ばかり夜中に廻っている状態だったんですけど、そのうち、疲れ果てた、ぼろぼろになった時に、先生が薬を変えてくれて、それからはもう20年近く変わっていないですね。それからずっと落ち着いています。

今はリスパダール2mgだけです。(他には)何にも飲んでいないです。(副作用は)ないですね。」

リスパダール(リスペリドン):非定型抗精神病薬

Q.治療をしていて辛いと思ったことはありますか

「あんまりないですね。ただ、先生が、『ああしなさい、こうしなさい、これはダメ、こうしちゃダメ』とか、なんか自分はダメだなと思わ(さ)れる、やる気をなくすような、否定的な(言葉)…。薬を減らすにしても『どうせダメやなあ』みたいな感じで言われたり、具合が悪くなった時に、『やっぱりねえ』とか、そういう『どうせダメ』というような感じで、否定的な目で見られるのが嫌ですね。」

<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  >>