統合失調症と向き合う

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Y.F.さん
Y.F.さん
1945年(昭和20年)生まれ、69歳(収録時)。2週間に1度通院している。両親亡きあとは一人暮らしをしており、現在は、病院の売店の仕事やピアサポート活動、当事者の会を運営するなど、充実した毎日を送っている。短期間であるが禅宗のお寺で修行した経験があり、現在のこころの支えとなっている。
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10メッセージ
Q.同じ障害を持つ方へメッセージをお願いします

「それはね、ひと言で言ったら、生きていこう、(と)思わんことです。皆さん、生きていこう(と)思うから悩むんで、(生きて)いこう(と)思わんかったら悩みは取れます。ふっとびます。明るくなります。平和になります。

死ぬ覚悟というのか。死んでもええと思うぐらいになって…、死んではあきませんで。死んではあきませんけど、極端に言ったら生きる死ぬ(を)超えて、ほんで平和で楽しく、相手のこと、立場(を)考えて楽しく生きてほしいです。

人に勝とう勝とう(と)思うてる人はどうしてもぶち当たるから、悩みにぶち当たるから、そういう人がやっぱり勝とう(と)思わへんかったら、すこんすこんといくなと思うから。」

Q.若い頃は勝とうと思いましたか

「ずーっと思っていた。俺も、空手2段あるし、勝とう思っていた。それはあかん。そんなん思わんほうが勝てる。それはちゃんと『葉隠れ』という本にも載っている。葉隠れ、武士道の本に載っている。剣道の先生が出てきてね、それでその先生が言うには、『良いこと思うも悪し、悪いこと思うも悪し、善悪思うも悪し、思わざれば善し』。

思わんかったら、明るうなります。勝とう(と)思わんとやっていたら平和で、相手の立場(を)考えたら楽しくなります。今、原点は、親分はこの親指です。親指が生きようと思わんこと。人差し指は嘘をつかんこと、中指は相手の立場を考えること、薬指は実行して仕事(を)すること、小指は人のためになること。これをやってください(笑)。」

Q.良い人生を送られているようですが・・・。

「いいですね。いいですね。OKですね。あとはこの調子がよい…、楽しいから、ハイにならんように、落ちていく生き方というのか。ほんでただの人の普通の生活を楽しむというか。

東北地震(2011年3月11日に起きた東日本大震災)の人なんか、不幸あったやん、あれ不幸あったやん、あんな(中で)『普通の生活(が)楽しい』(と)言うてるやん、あれがいいです。普通の生活を楽しむのがいいです。我々は病気して不幸になったから、東北地震の人を見習ろうて普通の生活、普段の生活を楽しむということを(に)感謝してください。僕もそれ(を)、やると思います。」

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