統合失調症と向き合う

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N.K.さん
N.K.さん
1982年(昭和57年)生まれの32歳(収録時)。18歳の時に発症。現在は就労移行支援事業所でスタッフとして、利用者にパソコン入力などの指導に従事している。数年前から症状がコントロールでき、医師からは「寛解した」と言われているという。障害年金を受給しているが、いずれは受給無しまで回復したいとの展望がある。実家で両親と同居。
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6薬について
Q.現在飲んでいる薬になるまでの経緯を教えてください

「まず、これはちょっと説明する自信がないのですけど。もともと中学ぐらいまでは割と、ちょっと話がそれるかもしれないのですけど、成績もいい部類にいたのですが、うつ症状だったのか、突然、あんまり人と会わなくなったぐらいから記憶力とか理解力も極端に減ってしまって。それでもちろんそこでもう、ほんとフラストレーションの塊みたいになってしまって…。

それで統合失調症の治療が抗精神病薬である程度落ち着いてからも、要はそこの16〜17(歳)の発病する前の記憶力とか理解力の低下した状態に戻っただけだったので、どうしてもやっぱり仕事が覚えられないとか、周りとうまくいかないとか。それで、『結局、俺なんか仕事もできないし』みたいな感じで、自分に自信がなくてネガティブになって、閉じこもってみたいな感じだったのですけど。

主に抗精神病薬はジプレキサだったのです。それがたぶん統合失調症の主な症状を抑えてくれていたと思うのですけど。それがメインだった時は、そこだけだと16〜17(歳)の記憶力とか理解力の低下みたいな能力の時に戻っていたような感じがするのですけど、そこからジェイゾロフトという薬が足された時に、割と能力が回復したように思います。

自分に合う薬が見つかって、うつ傾向から抜け出したあたりから、理解力とか記憶力も完璧とまでは言わないですけど、自分が妥協できる範囲ぐらいまで回復してくれたので、すごく前向きになることができました。ただほんとうに個人差があるので、人には、この薬がいいよとか、この薬飲みなとか、そういうことは絶対言わないですね。

あとは、メイラックスレンドルミンが残っているのですけど。先生から『いつでもやめていい』と言われているのですけど、やめようとするとちょっとそわそわっとして仕事の集中力が落ちる時があるので、まあ別にそんなに重篤な副作用も感じないし、しばらく、もうちょっと飲んでみようかなと思っています。」

ジプレキサ(オランザピン):非定型抗精神病薬
ジェイゾロフト(塩酸セルトラリン):抗うつ薬
メイラックス(ロフラゼプ酸エチル):抗不安薬
レンドルミン(ブロチゾラム):睡眠導入剤

Q.薬が合うまで何年ぐらいかかりましたか

「発症が18歳からなので、8〜9年かかりましたね。26〜27(歳)の頃です。」

Q.薬の副作用はありますか

「ありますね、正直な話。私が今いちばん感じている副作用は、やっぱり睡眠時間ですね。8時間〜9時間寝ないと次の日にすごく眠かったり、仕事の能率が極端に落ちるので、普通の社会人は割と6〜7時間の睡眠(時間)だったりすると思うのですけど、私はだいたい9時間ぐらい寝ているので。でもそれ以上、睡眠の時間を削れないのです。

なので、睡眠を多くとらなければいけないとか、逆に寝つきが悪いとかいうのは、やっぱり薬の副作用かなという感じでして、ちょっともどかしかったり、睡眠に対してはすごく負担を感じたりしています。

あとはその薬の相性で、主治医に、お酒はなるべく控えてくださいと言われているのは、ちょっと残念なところです。ま、たまに、ちょっとだったら黙認すると言われています。

タバコは、なんとか頑張って3、4年前にやめました。禁煙外来に行ったら割とあっさりやめられました。

できれば私もやっぱり、薬を飲まずに治療できたらそれがいちばんいいなあと思っていますし、私の治療のゴールはやっぱり服薬しないで良くなることなのですけれど。まあ一応寛解ということを目標にしてきたので、まあ、この状態が続いてくれるならそれはそれで悪くないかなとは思うのですけれども。」

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