統合失調症と向き合う

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堤 敏行さん
堤 敏行さん
(つつみ としゆき)
1962年(昭和37年)生まれの55歳(収録時)。26歳で特別養護老人ホームの介護職として働いていた時に発症。入院体験は2回。現在はデイケアなどに通いながら、無理の無い範囲で介護のボランティア(傾聴、オセロゲームの相手など)を行っている。母親と二人暮らし。
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11メッセージ
Q.同じ病の方へメッセージをお願いします

「今現在は、大変だし悩むことはあると思うのですが、時間が経てば、振り返る時期が来ると思うので、投げやりにはならず、ただとにかく『焦らない』ですかね。じっと待つというのですか。

自分の経験では、していましたね。でもまあ、知っている人で、途中で自殺した人もいたけど、そういう人にも言ってあげたいですよね。時間が経てばそんなこともしなくて良かったのにというか……。」

Q.家族にできることは?

「厳しくする時も必要なのかなと思って。厳しいというか、あまり密にならないというか、ある程度投げるというか。自分が経験したみたいに、家から1回出すという……。

一緒に悩み合わないというか、ね。親は親の生活もあっての話というか、一緒に抱え込むとまた、かぶさってくると思って。

あまり短く考えすぎないで長い目で見るというか。たぶんみんな焦ると思うのですね。病気になると、早く良くなれ、早く良くなれと思って。でもそれは、最初うちの母親もそう思ったかもしれないけど、今考えると、この年まで辛抱してくれたのはあるのかな。今でもね、家に帰ると、『あれ手伝えこれ手伝え』と言われるのですけど。食事も自分で作らないし、私に言われるのですけど、でも、そこを気にせず言われるだけでも、良くなったのかなと。」

Q.医療体制へ要望はありますか

「医療体制、もうちょっと地域の人に分かってほしいというのかな。うちはやはり田舎だから。なんていうか、偏見みたいなものがあるのですよ。認知症にでもなると、やはり変に見られるし。それはもう、特別な人ではないということを分かってほしいというか。それだから今のクリニックが地域にできたことが大きいと思うのですけど。」

Q.今回、インタビューに協力しようと思われた理由を教えてください

「何か巡ってきたのがあったから、ついでと言うと悪いけども、そういう機会があるからまたいいのかなと思って。そういう機会があればしゃべりたいというか。悩んでいる人に、今言ったみたいにいつかは来るというか、ふっ切れる時があるということを伝えたいというか。

こういう機会ができること自体すごいことだなと思って、やはり。29年とか30年前ではこういうインタビューされる機会がなかったというか。病院自体が閉ざされているというか、公の場で話す機会がなかったし、聞く機会もなかったというか。時代がもう変わったのかなと思って。すごいことだなと思って、それを生きているうちに経験できて良かったですよね。

でも本当に悩んでいる時は、下しか見ていないというか、やはり。だから、自分でも相当変わったと思います。

1つずつステップを踏んできているというか……。前の所ではこういうことを経験して、前のところではこういう経験をして、で、今のクリニックでは新しいことをみんな勉強しているというか。それも追いつけていないというあれ(思い)があるのですけど。自分でやりたいけどやれないというもどかしさがあるのですけど。もうちょっと若かったらできたのかもしれないなという思いもあるのですけど、正直。」

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