統合失調症と向き合う

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大竹真人さん
大竹真人さん
(おおたけ まさと)
1981年(昭和56年)生まれの36歳(収録時)。大学を卒業して社会人1年生の22歳の時に、発症。現在は、週5日午前10時〜午後2時までパートとして働いている。4年前にピアノを習うようになり、以来、ピアノ演奏がこころの拠り所になっているという。
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10病の認識
Q.ご自身の病気を、今、どのように捉えていますか

「そうですね。いや、受け入れていると思っているのですよ、自分では。まあ、たぶん、変な言い方ですけどなるべくして統合失調症になったのだと思うのですね、私。たぶんこれは天命だと思うのですよ。天から授かった命題というか、これが自分の人生だなと思っていて。

きっと統合失調症にならなかったら、人に優しくできなかったと思うし、たぶん仲間もできなかったと思うのですよね。病気がきっかけで、ピアノが、まずできたし。ピアノができたお陰で仲間もできたし、仕事もできるようになったし。そういったことを考えると、やはり病気になって良かったなと思っているのですよ、私。これほんとの話ですよ、ほんとに。

もし病気にならなかったら、趣味もないまま働き続けて、人生を終わっていたのかもしれないですしね。今、例えば将来もこの病気は治らないと思うのですよ。治らないと思うけれども、治らないなりに自分と折り合いをつけて、仕事も続けて、ピアノも続けて、友人との付き合いも続けて。ま、ほんとにいい人生じゃないですか、ね?私そう思うのですけど。なんか、変ですか?そう思いますよ、私。いい人生だなぁと思いましたね。」

Q.障害をお持ちということで偏見や差別を感じた経験はありますか

「やはり職場の仲間に、『どういう人なのかな』とちょっと思われているところがあって。今もそうだとは思うのですけど、今普通に話していると思われるかもしれないのですけど、私、職場に行くと途端に緊張してしまって、なかなか上手くしゃべれないんのすよ。で、やはりろれつが回らなかったりするので、職場に行っても上手くしゃべれないのではないかなぁとか、なんかいろいろ不安に思ってしまって、『大竹さん大丈夫かな』と思われているところがやはりあるので。

差別まではないのですけど、やはりちょっと変に思われている節はあるのかもしれないですね。」

Q.精神障害を持っている人にはどのように接するのが良いのでしょうか

「むしろ話して欲しいのですよ、障害者としては。障害者の代表みたいなことを言っていますけど(笑)。たぶん障害者って、自分のことをもっと分かって欲しいと思っているのですよ。で、分かってもらうためにやはり会話が無いといけないので、そこは、むしろ積極的に話しかけて欲しいですし、こちら側からも積極的に話しかけていきたいですし。

で、積極的に話しかけていきたい時にちょっと不機嫌な顔をされたり、ちょっと話したくないなぁこの人という顔をされると、やはりそれは辛いので、話しかけた時に、笑顔で明るく『なあに?』と言って、聞いてくれたら話しかけやすいので、拒まないで話しかけて欲しいですし、話しかけたいですしね。で、そういった会話のきっかけを掴めればもういいのではないでしょうかね。」

Q.家族からはどのように接して欲しいですか

「家族はたぶんいちばん近くにいる存在なので、会話のいちばん量が多いと思うのですけれども、あまり会話しすぎても、なんていうのですか、そこで、居心地が良いともちろんいいのですけれども、やはり私は父の関係もあって、あまり居心地が良いと思えるところもなかったので、ま、つかず離れずが、私の中では合っていたというところがありますね。」

Q.医療従事者からはどのように接して欲しいですか

「私は2回入院したのですけど、2回目の時に、ちょっと再起不能だと思われたところがあって……。で、その時の主治医があきらめてくれなかったことが嬉しくて。私と接するにあたって、この人もうだめだから、手の施しようがないからと思ってくれなかったところが、本当に嬉しかったので、やはり、医者に対しては、たとえ当事者の病状が危険だったとしても、決して『もう治せない』とあきらめて欲しくないのですね。

完全に治すことは無理だと思うのですけども、病状がこの程度良くなるということは、たぶん誰でも起こることはあると思うので。時間が、もちろん何年もかかると思うのですけれども、時間をかけても必ず良くしてあげようという心意気というか、そういった信念みたいなものを持っていただきたいですね。」

Q.主治医があきらめていないと感じたのはどういうところからですか

「やはり先生は、情熱的な方とお見受けするので、私。なので、その情熱さが私に伝わってきて、この先生なら、私は変われるのではないかなとか、信頼していいのではないかなと思えたのですね。その先生と出逢えたから前向きになれたのも1つのきっかけかもしれないですね。

やはり、私は障害者なので、比較的後めいたというか、マイナス思考なことも先生にお話をするのですね。今月はなんか前向きにならなかったなとか、いつも自分を責めてしまったなと先生にはお話をすると、『いや、それは大竹さんが良くなるきっかけにしていきたいから』(と)。

後ろ向きに話していても、それを前向きに治してくださるのです、その先生は。それが伝わってきて、自分も前向きになろうという気にさせてくれたというか、そんな感じですかね。」

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