統合失調症と向き合う

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aksanさん
aksanさん
1988年生まれの29歳(収録時)。14歳の時に違和感を覚え、日常生活ができなくなり、受診。現在は就労継続支援A型事業所に週5日通所している。自分の中にある「向上心」が辛い日々の支えになっているという。
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9いちばん辛かった時
Q.今まででいちばん辛かったのはいつですか

「急性期というか、入院する前ぐらいの時期がいちばん辛かったと思います。というのも、薬を服薬していなかった状態だったので、自分の症状がやはり表に出てしまっている時なのですよ。その時で、いろんな何ていうのでしょうね、自分の中での解決できないものがあって。それと戦わなければいけないと思ったのですよ、自分は、当時。

ですけど、結局最終的には負けて。でも、負けたというよりは、それはまあ、自分の今では無理なんだと思えるようになったのですけど、当時は戦っているつもりでして。そこがいちばん辛かったですね。

やはり自分の薬に対する知識が、まだその当時はあまり正しい知識がなかったということがいちばんなのですけど、当時はやはりどこかで化学物質を自分に投与し続けるのは体にとって良くないのではないかと思っている節があって。

ただ、そうすることによって摂らなくても自分がちゃんと生きていける方法があるはずだと探していたのですけど、何回も入退院を繰り返してきた経験の中で、薬は必要だなという見解に至って。で、今こうして話せるのは薬のお陰だと思っていますし、日常生活が安定して行えるのもやはり薬があったからこそだと思っていますね。

IMRをやったのが22から23~24歳ぐらいですね。でもやはり自分自身も知りたかったという思いがいちばん強かったですね。それで自分の中では訳の分からなくなった病気に対して、何か少しでも明らかにしたいという知的探究心でもないですけど、何が起こっているのかを知りたかったです。とりあえず、自分の中で、どういった現象が起きて、なぜ自分がこういうことになったのかと、いろんなことが知りたかったのですね。

統合失調症という病気全般にかかわらず、ストレスモデルというかストレスの対処法、仕方を少し学べたのが大きかったですね。」

Q.あなたを支えているものは?

「何ですかねぇ。ま、でも、一日一日を丁寧に生きていかれるということは、やはり今まで過去があったわけで、その一日一日を、過去をないがしろにしてはいけないなという思いはありますね。自分なりに苦しんできた過去があっての今日だと思うので、そういったものが自分を今支えているのかなというふうにいつも思いました。やはり小学校の時からずっと病気に苦しんでいたのですけど、でもそういった体験が今、生きやすくなっているのかなというふうに思っていて。

自分は、どちらかというと向上心があるほうでして、やはりこのままではいけないなと思ったことがありました。やはりいろんな周りの友達とかを見ても、結構ちゃんと日々丁寧に生きているし、健常者の友達であっても、障害を抱えている友達であっても、それなりに自分というものをよく見つめ直して生きているなと思って。

それと比べるという意味ではないのですけど、まあみんな頑張っているから俺も頑張ろうかなというふうに思えたり……、ま、自分も手を抜いて生きていくよりかは、やはり自分を改善しながら、日々丁寧に生きていきたいなと思ったからですかね。」

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