統合失調症と向き合う

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丸子慎平さん
丸子慎平さん
(まるこ しんぺい)
1970年(昭和45年)生まれの47歳(収録時)。20代後半、アメリカの大学に留学中に発症し入院。その後、日本に戻り、精神科を受診する。現在は就労継続支援B型事業所でさまざまな業務に携わっている。
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12メッセージ
Q.同じ病の方へメッセージをお願いします

「統合失調症となりまして、もちろん大変な時期もありましたし、そこから回復する、回復という言葉がいいのか分からないですけども、まあリハビリの時期を経て、現在事業所で、かなり活動的に仕事を行っています。狭い事業所で、内にだけ籠もっているだけではなく、出張するという意味では、九州から東京から大阪から、どんなところも飛び回っています。

大変な時もありましたけども、現在そういう活動ができているということを、一応、統合失調症の一例題というか、そういうことで思ってください。」

Q.回復するために何が必要だと思いますか

「……結構、僕、当事者の人をよく事業所で見ますよね、統合失調症の人。やはり何か不安とか恐怖にかきたてられていて、いろいろ混乱する人が多いと思うのですよね。僕は、発病した理由の一つとして、大学の先輩が急に亡くなったということがあって、その直後に体調を悪くしたので。そういう人の死をどう受け入れるかということが、一つ、統合(失調症)としても……、統合(失調症)なのかは分からないですけども、精神病の一つの考え方としてあるのですよね。

その内で先ほど、映画好きだと言いましたけど、『クラウドアトラス』とか『インター・ステラー』というのは自分の中の死生観みたいものに影響を与えまして。僕の妄想かもしれないですけども、たぶん自分の人生というのは、たぶんどこかで終わるのではなくて、まだまだ続くとか、そういうような人生観を持っているので。そういう意味では、死というものに対してはすごく楽観的という表現もちょっと投げやり気味でまずいですけども、割かし自由な発想ができるというか、そこの距離の取り方というか……、その最悪な事態への距離の取り方が絶妙なので、ある程度、回復というか、今の病状の安定につながっているのではないかなと思います。

どう生きるとかは分からないですけど、難しい話ですけど、何か腑に落ちるものをやはりみんなが持っていないと、波があって飲み込まれてしまうので、どうにか、各々考えてくださいということです。」

Q.家族へのメッセージをお願いします

「結構、病気の質としては、骨が折れたとかひっついたという問題ではなくて、心の病気というのは、リカバリーするにはやはり長い間の時間が必要だと思うのですよね。その上で、そういう長い時間を、自分の息子なり娘と過ごす上で、なかなか、もどかしいような心情になるかもしれないですけども。

ちょっとしたきっかけで、僕も、デイケアとか嫌々で行きまして。ちょっとしたきっかけから、少しでも前に進むということがありえますので、ご家族の人は、なんというか希望を捨てずに、ちょっと見守ってほしいなと思います。」

Q.医療体制とか医療従事者にメッセージは?

「普段から接することはそこそこありますので……、事業所に仕事をください(笑)。

民生委員の人のためにとか、生活支援員の人のためとか、若手のそういうPSW(精神保健福祉士)のためとか、学校以外にもあるのですよ、そういう枠で。カウンセラーのためにとか。専門職だとちょっと違和感を感じるので、学生のほうがいいなぁと思って(います)。」

Q.今回のインタビューに協力しようと思われた理由をおしえてください

「自分の、病気してからのそういう体験みたいな話が、少しでもピアの人に役立てばいいかなぁと思いました。自分のためというよりはやはり、今困っている人が文章なり動画を見て、ちょっと励みになればいいかなと気持ちでインタビューを受けました。」

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