統合失調症と向き合う

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堀合悠一郎さん
堀合悠一郎さん
(ほりあい ゆういちろう)
1978年(昭和53年)6月19日生まれの40歳(収録時)。18歳の時に人が怖くなる・昼夜逆転などの症状が出て、小児精神科を受診する。中学一年生(13歳)の時から、夏休み前に睡眠のサイクルが崩れ、2学期から不登校となった。高校を卒業後、デイケアに通所。入院の経験はない。現在は、就労継続支援B型事業所でピアスタッフとして就業(常勤)している。両親、弟との4人暮らし。
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5作業所とのつながり
Q.デイケアから作業所につながった経緯を教えてください

「主治医のほうから、『デイケアはもう十分だから、そろそろ、次のステップを考えたほうがいい』というふうに言われました。僕もちょうどそう思っていたので、その通りにやろうと思って、就労を考えました。僕はその時、主治医には、『勉強がしたい』と言ったのですけど、『勉強すると学生になっちゃうよね』という話になって……。ま、遠回しに、単純労働をやったほうがいいのではないかというふうなことを言われました。

じゃあちょっと作業所というものもトライしてみようと思いました。作業所についてはあまりいい印象を持っていなかったのですね。単純な作業をあまり良くない雰囲気の中でやっているというイメージがあったのですけど、デイケアのスタッフと相談して。デイケアにあった近隣の作業所の資料が入ったファイルを見ながら、どこかいい所があったら見学しに行こうと思って、見たいくつかの中の一つがシャロームの家(作業所)だったのです。

で、区役所の担当のワーカーさんと一緒に見学に行きました。(ここが)2箇所目だったのですね。で、印象はすごく良かったです。挨拶がみんなすごくきちんとしていて、利用者も職員もですね。で、職員の雰囲気も良さそうで、帰りにワーカーさんからも、『挨拶がすごい良かったね』というふうな話と、『まあ見学も3箇所ぐらいまでだね』というふうに言われて。それで、うまくいかなかったら別の選択肢もあるだろうから、ここでやってみようかなと思って、利用を決めました。」

Q.ピアスタッフとして働くようになったきっかけは?

「5年前です。2013年の2月からになります。それもだいぶ時間をかけていろいろな展開をしていきました。僕が入った2008年の2年後の2010年に、初めて事業所から、法人から結構な人数で『リカバリー全国フォーラム』(NPO法人コンボ主催)に参加して、そこでピアスタッフの存在を正式に知りました。

その前から、今の施設長は、当事者雇用とか利用者を雇用して一緒に同じ条件で働くということを考えていたみたいなのですけど、その具体例をリカバリーフォーラムの中で見ることができたということで、僕らの所でもそれができないかということを考える場として勉強会を立ち上げました。その勉強会の立ち上げからピアスタッフ雇用の実現まで、2年半ちょっとですね。本当にオープンな勉強会で、職員でも利用者でも、参加したい人は歓迎です。

初めは精神保健福祉士の基礎的なことから、とにかく自分たちで調べたり作っていこうと。そういった勉強会を、初めは1つだけだったのですけど、テーマとか時間とかを変えて、いくつかやるようになって。それでどんどんピアスタッフとして働くためには、また事業所としてピアスタッフを雇用するにはどうしたらいいかということを、みんなで考えていくようになりました。

そろそろ機が熟しただろうというタイミングで、ちょうど地域活動支援センターという事業形態から就労継続支援B型に移行する機会もありまして。人件費が増えても、そこで事業運営的に賄えるだろうという目算(もくさん)が付いて、2013年2月のピアスタッフ雇用に結びつきました。」

Q.仕事の内容を教えてください

「事務と利用者の支援がメインです。就労継続支援B型といういわゆる作業所の運営事務全般ですね。書類を作成したり帳簿を付けたりといった作業です。」

Q.障害があっても就労できるために必要なことは?

「周りのあらゆる人からの支援だと思います。障害のある人ない人が共に働くという環境が大事だと思います。そういった場をもっと増やしていくことで、障害があっても働き続けることができるという人がもっと増えていくのではないかなと(思います)。」

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