統合失調症と向き合う

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森本隆道さん
森本隆道さん
(もりもと たかみち)
50代前半(取材時)。11回の入院を経験。8年前に親元を離れ一人暮らしを始める。現在は、同病のパートナーと一緒にグループホームに住んでいる。通院している病院のソーシャルワーカーの紹介でピアセンター(就労継続支援B型事業所)とつながり、ピアサポーターとして病院のイベントへの参加や中学校などで体験談の発表などを行っている。
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7辛かった時
Q.治療でいちばん辛かったことは?

「去年(2018年)の車を壊して入院した時でしたね。保護室の酷いところに缶詰にされて、嫌だった。『まあしょうがないことだな、自分が悪いのだし』とは思いましたが。今の良い状況を維持することができていけばいいですけど、分からないです。デポ剤を使っていても体調が悪くなったのですよね。

薬は変わりました。入院する前にも少し増えたし、入院してからものすごく増えて、入院中、副作用がすごかったですね。治してくれるためかしれないけれど……。退院後は、だいぶ薬が減りました。最初、処方してくれていた薬が合わなくて変えていただいて、先生が減らしてくださってだんだん良くなってきました。」

Q.治療中、心の支えや慰めとなったものはありますか

「音楽を鑑賞したりラジオを聴いたりすると安らぎますね。入院中は、小さいポータブルのラジオを持って行きました。僕は、今は亡き尾崎豊さんの曲をよく聴いていました。彼の格好をしていましたね。ジーパンに丸首の半袖の白いTシャツ。音楽は弾けないですけど、そんな格好をしてうろうろしていました。

他にもいろいろな曲を聴きますよ。浜田省吾さんとかmiwaさんとか、浜崎あゆみさんのコンサートにも2、3回行きました。音楽が好きです。安らぎます。いろいろなことで忙しいですが、楽しみがあれば頑張れます。」

Q.今まででいちばん辛かった時は?

「一昨年(2017年)、この間、私を見守ってくれている病院のソーシャルワーカーさんや事業所の方々に『殺してやる』と言ったことですね。それは憶えています。いけなかったなと思っています。病状でそう言ってしまったことなのですけど、と言ったら逃げ口上になるかと思いますけど。罪悪感を抱きますね。入院期間は半年ぐらいで長かったです。」

Q.あなたをサポートしている人を教えてください
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地域活動支援センターのスタッフである畝木奈津恵さんと談笑する森本さん。

「当事者ではない健常者の方々も見守ってくださっているとは思いますけどね、直接、助けてくれているのは事業所の職員さんもそうですし、いちばん見守ってくれているのはピアサポーター活動を勧めてくれた病院のソーシャルワーカーさんですね。ピアサポーターは僕に合っているだろうと思われて、勧めてくれたのでしょうからね。

それから、パートナーの彼女。病状も含めて、いちばん近くで僕を見守ってくれている人ですからね。去年(2018年)の9月に、退院してこのグループホームに移ってから同居しています。二人のほうが支え合っていけるかなと思います。ショッピングに行ったり、いろいろなことを分かち合えるのが有り難いです。今年も旅行に行ったのです。

夕飯は、病院のスタッフであるグループホームの世話人さんに月曜日と木曜日に作っていただいて、その他は彼女と一緒に外に食べに出たりします。ショッピングに行った時とかに。」

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