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中島大昌さん
中島大昌さん
(なかじまだいすけ)
38歳(1982年生まれ:取材時)。幼少期から明るく元気に育ち、小学校からサッカーと水泳にうちこむ。中でもサッカーは小学校から高校、社会人まで続け、中学時代は県大会で3位になった。18歳の時に母親が他界する。
自動車の運転免許を取得すると同時に自動車に興味を持ち、自動車メーカーに就職する。自動車整備工場で働きながら、専門学校に通い国家資格2級ガソリン、ディーゼル免許をダブル取得。損害保険募集人資格なども取得する。
26歳のときに発症、その後、週に4~5回デイケア(外来リハビリ)に通い、土曜日はヘルパーさんの支援を受けている。入退院を11回、再発を3回。
2018年6月、デイケアで出逢った女性と結婚。2020年1月から就労移行支援に通っている。
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4現在の活動:ピアサポーターとして
Q.現在の活動につながった経緯を教えてください

「現在は、ピアサポーター(8年目)をやりながら就労移行支援事業所に通っています。また、市の精神保健福祉協議会の構成員をしています (ピアサポーター代表者) 。

会社への復帰は絶望的でしたが、絶対に折れたくない心で復帰もしてみました。でも体力も精神力も昔のようにはいきませんでした。入退院を11回、再発を3回しました。そんな時、『1度きりの人生、やりたいことをやろう!! 』と福祉の道へ進むことを決断しました。

福祉の分野で活躍しようと、専門学校へ社会福祉士の資格を取りに行きましたが、甘くはありませんでした。そんな時、当時の主治医からピアサポーターの話をいただきました。ピアサポーターは同じ福祉の分野であり、当事者としての強みをいかして活躍できるということで、やりがいを感じられたことから、『ピアサポーターになりたい』と思いました。

ピアサポーターになるためには、養成講座を受けます。その養成講座で一番印象に残ったのは、ある精神障害者生活支援センターを訪問した時のことです。当事者の方たちが、一生懸命にピアスタッフとして働いていました。フリースペースの受付の仕事や、夜の8時から11時まで悩みや相談を受け付けている電話は素晴らしいです。またピア同士のご夫婦が二人で力を合わせて、お子さんを育てながら働いている姿に感動しました。

ピアスタッフの実際の活躍を見て、僕もこんな風な活動がしたいと、気持ちが強くなりました。」

Q.実際の活動は?

「無事、養成講座が終わり、事業所を拠点とし、ピアサポーターの活動に打ち込みはじめました。事業所では、病院を訪問し長期入院の方の退院促進事業、グループホームにいる方が一人暮しをするのに向けての茶話会を柱に活動し、体験談の発表の依頼が来たら、引き受けています。僕は、障害程度区分認定調査員さんの講座の一環として講演会の依頼を引き受け、100人ほどの聴衆を前に体験談を発表しました。

なお、ピアサポーターとして活躍するためには、自分自身の体調管理が第一優先です。」

障害程度区分認定:障害程度区分とは、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すもの。支援の度合いにより「非該当」〜「区分6」がある。市町村が行う。

Q.デイケアとの出会いについて教えてください

「やがて、僕の人生の転機が訪れます。通院先にデイケアができたのです。少人数での小規模デイケアでしたが、僕にとっては人生最大の青春でした。残念ながらデイケアは1年で無くなってしまいましたが、外来リハビリテーションという形で現在も外来のOT(作業療法)は続いています。

外来リハビリテーションが始まり、半年以上の月日が流れました。はじめは正直迷っていました。デイケアが終了してしまい、落胆した日々が数か月続きました。そんな時にデイケア時代の仲間が真剣に外来リハビリテーションに取り組む姿に胸をうたれたのです。気がついたら僕もリハビリテーションの空気にすっかり馴染んでいました。それは、作業療法の先生が造り出す癒しの空間です。その先生と産休から復帰した先生が加わり、抜群のチームワークが織りなす社会復帰への道しるべとなりました。

『先生について行きたい!僕の人生を先生と一緒に過ごして行きたい!』『まだまだ人生を諦めたくない!きっと、人生はゴールのないマラソンだから。外来リハビリテーションにしっかりと通えば、昔のようにはいかないけれど、また道が見えてくるのではないか』、そう確信しました。

先生達のおかげで、苦手な料理教室にも参加できました。継続は力なり。好きなことだけでなく、苦手なことでもチャレンジすると達成感があります。この気持ちを忘れずに、これからもびっしびし外来リハビリテーションに通いたいと思います。」

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