表1 統合失調症の主な治療薬(抗精神病薬)の登場

年 代 主な抗精神病薬 作用(効果)
1950年代前半 ・クロルプロマジン
(商品名:ウインタミン、コントミン)
1958年に日本に導入
抗うつ薬登場:イミプラミン
(商品名:トフラニール)
精神安定剤登場:
メプロバメート
(商品名:アトラキシン)、
クロルジアゼポキシド
(商品名:バランス、コントール)
鎮静効果、幻覚・妄想・興奮に有効
1950年代後半〜
1960年代前半
・ハロペリドール
(商品名:セレネース、ハロステン、リントン)
1964年に日本に導入
幻覚・妄想に有効だが、錐体外路症状が多い
  ・レボメプロマジン
(商品名:レボトミン、ヒルナミン)
1960年に日本に導入
この年代までの薬は定型薬(従来型、第一世代とも称される)
鎮静・催眠効果、情動安定作用が高いが、眠気や血圧低下、抗コリン性副作用(口渇、便秘)が多い
1988年 ・クロザピン
(商品名:クロザリル)がアメリカで再評価
世界での非定型薬(第二世代とも称される)の始め
治療抵抗性の統合失調症への効果が証明された薬。無顆粒球症などが副作用として問題になるが、定期的な採血(モニタリング)で予防が可能
1990年代前半〜 ・リスペリドン
(商品名:リスパダール)
1992〜1993年:日本では1996年6月導入→日本での最初の非定型薬(第二世代薬とも称される)
幻覚・妄想に有効、陰性症状を改善、副作用(錐体外路症状)が少ない
  ・オランザピン
(商品名:ジプレキサ)
1992〜1993年。1996年に米国で発売:日本には2001年に導入
陰性症状への効果の可能性
2000年〜 ・フマル酸クエチアピン(商品名:セロクエル):2001年に日本に導入
・ペロスピロン(商品名:ルーラン):2001年
・アリピプラゾール(商品名:エビリファイ):2006年
・パリペリドン(商品名インヴェガ)2006年12月米国で承認:日本では2011年1月に発売
・ブロナンセリン(商品名ロナセン):2008年4月発売
・クロザピン(商品名:クロザリル):2009年4月承認
錐体外路症状が極めて少ない
 
日本だけで売られている第二世代抗精神病薬
肥満や高血糖などが少ない。眠気も生じにくい。
リスペリドンと同等の効果で、血中濃度はさらに安定している
 
日本だけで売られている第二世代抗精神病薬
治療抵抗性統合失調症に効果があることが証明されている唯一の薬、錐体外路症状はないが、無顆粒球症という副作用に注意

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