がんと向き合う

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安田 洋一さん
安田 洋一さん
(やすだ・よういち)
東京都在住、自営業。2004年9月、内視鏡検査により上行結腸部分に腫瘍がみつかり12月に切除。リンパ節の転移があったためリンパ節の郭清も行う。退院後2年間の抗がん剤服薬を経て、現在に至る。男性のための患者会設立を計画中。がん患者団体支援機構理事。
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6保険について思うこと

「保険に関しては、特定疾患の保険には入っておらず、郵便局の保険に入っている程度でした。やはり自分自身にとって“がん=死”なので、がん保険にいっさい入っていなかったことは、非常に残念だったなと思います。保険は、満額になるまで何年間かかかりますが、入院したときの1日1万円給付というのは経済的にはだいぶん助かりました。ですから、がんになる前にできれば若いうちに掛け捨てでもいいから皆さんやはり保険に入っておかれたほうがいいと思っています。あと保険については、定期検診をしている方は減額で入れるとか、そうした制度を保険会社のほうで設けてもらったほうがいいと思います。ただ単に給付ということよりも、日々の生活でやはり掛け金が負担になるので、そういうことは会社も皆さんも考えていただきたいなというのは要望です。」

●大腸がん検診のすすめ

「僕は健康に関しては過剰なところがあったので、そのつけが回ってきたと思っています。やはり生きるか死ぬかを考えたときに、たぶん皆さん生きていきたいという気持ちがあるのであれば、すべての検査を受けるべきだと思いますし、とにかく大腸に関しては大腸内視鏡検査がいちばんベストだと思います。あと保険適用ができるかどうかという制度もきちんと考えてもらわないといけません。大腸がんの仲間と話していることですが、年齢が40歳以上からの大腸内視鏡による大腸がん検診というのは遅すぎます。やはり大腸がんは、急激に大きくなるものもありますが、何十年もかかるのであれば、30代ぐらいから検診を始めないとまずいのかなと思います。それは大腸がん仲間も、『そうだよね』というのが皆共通の認識です。

できれば年に2回は検査したほうがいいと思いますね。年1回では少し心もとないというのか、進行性の早いものだとやはり最低でも半年に1回くらい、できれば年に2回は検査されたほうがいいと思っています。

がんに限らずほかの病気すべてそうですけど、早目に治療することによって医療費も軽減されるし、生活も守られるしQOLの向上にもつながるということで、できれば皆さん早期検診で早期発見、それがもうベストです。

大腸がんの仲間が何人かいて、皆さんそれぞれがん細胞が体のなかに流れている時間が長く、たぶん20代の後半から体のなかにがん細胞があったかもしれないのです。振り返ると予兆はあり、『あれがそうかもしれない』というのが多いのですね。真っ黒な便が数回出ていたり、血が滲むような便があったり。僕は血が滲む便は1回しかなかったですが、よく憶えていて、それは24歳のときでした。24歳という年齢はがんとは関係ないのでたぶん、切れ痔か痔かということでそのまま見過ごして病院には行きませんでした。やはり若い人たちは恥ずかしいというのがあって、病院に行かないですね。でも、血便だったであろう真っ黒な便に関しては、やはり資料として写真に撮っておいて、誰でも見られるようにしておけば把握できるので、そういう資料は欲しいと思います。」