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西山 浩さん
西山 浩さん
(にしやま・ひろし)
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1964年横浜生まれ。極度の腹痛が3〜4年間あり、2004年6月に知人の勧めで内科を受診。大腸検査でS状結腸に腫瘍が見つかり、翌7月に切除手術を受けたところ、ステージ(病期)4の虫垂がん(S状結腸まで浸潤)と診断された。2006年膀胱に再発し、腹膜播種を手術。2007年末肺に転移が見つかり、翌年7月に手術。現在は経過観察中。2008年リレー・フォー・ライフin新横浜実行委員。ブログ:MY HOME TOWNTwitter
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5治療費、保険のこと

「金銭的にはかなりかかっています。FOLFOX6とかアバスチンがだいたい月に20〜30万円くらいかかります。それがだいたい半年続きますので、その間はかなりかかっていますよね。また手術が入ったりすると、手術だけでもだいたい50〜100万円かかるので、金額的にはトータルで400〜500万円くらいかかっているのではないかと思います。

保険がですね、入っていないのですよ。仕事が変わったときに一度保険を止めてしまったのですね。それで新たに保険に入ったのですが、入ってすぐがんになりまして。そのときはまさか自分ががんになると思わなかったので、がん保険というのは入っていなかったのです。がん保険に入っていなくて手術をしたのですが、いちおう物は試しと思って入って3ヵ月くらいだった保険にいちおう申請を出したら、100万円くらい出ました。

ただその間入院をしたので、最初約2ヵ月くらい収入がなく、そのときに保険の支払いができなかったのです。2ヵ月支払えなかったら無効になると言われ、保険が続けられず、解約というかたちになってしまいました。解約してしまうと今度はもうがんになっているので、ほかの保険はどこにも入れない状態なので、今はもう保険は入っていません。

やはり病気になって入院して仕事ができなくて収入がない、どうしても払えない人に、2ヵ月払えなかったから駄目ですよというのは、どうかなと思うのです。その辺の救済措置があってもいいのではないかとは思います。

最終的に考えたのは、保険に入って一時的には貰えたとしても、治療を続けていく分は保険は出ないかたちになりますので、長期の治療に関しては、保険はあまり意味がないかなと思います。それなら保険の掛け金を貯金したほうが100%治療費に出せますので、そのほうがいいのではないかと思います。貯金はできていないですけど。」

●自分にとっていちばんいい選択を

「がんになって思ったのは、なったものは仕様がない、じたばたしても仕様がないと。状況は変わりませんので、それなら少し冷静になって、自分でいちばんいい方法を選択したほうがいいのではないかという感じでやっています。本当は泣いてわめいて大騒ぎして治るものならいくらでもやりますけど、それをしても状況は変わらないですからね。それでしたら、後悔しないような選択を自分でしたいなと思っています。

医師のほうから『この治療法がいい』というようなことは言わないです。選択肢としてこういう治療とこういう治療とこういう治療がありますけど、どれにしますかというような感じです。たとえば、きつい治療と優しい治療、優しいというのはないと思いますが、そういう治療があったとしたら、『どちらがたいへんな治療ですか』と聞いたときにはそれは説明してくれます。自分としてはあえてきついほうを選びましたけど。」

●医療者に感謝

「医療者に関して納得が行かないということはないです。逆に、見ていると休む暇もなくやってくれているので、すごく感謝しています。

(同じ患者さんにお伝えしたいのは)やはり主治医の先生をまず信用して治療を受けてほしいです。先生はいいことは言わないです。最悪なことしか言いませんので、その中で自分がどう受け止めていくか。ある人からも『なぜセカンドオピニオンを受けないの』と言われたりもします。今、病院は静岡まで通っていますけど、『なんでもっと近くの病院にいかないの』ということも聞かれます。病気になってまず選択するのは、病院を選ぶのか、医者を選ぶのかということです。しかし、いい病院イコールいい先生かどうかっていうのはわからないのです。自分に合った先生にめぐり会えたときには、自分はどんな遠くてもそこに通います。主治医を信用して、全部治療も任せていますので、遠くても治療には行っています。あと静岡は景色がいいので、車で行くと富士山が目の前に見えますので、ドライブがてらある程度精神的な保養になりますね。」