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滝川雅行さん
(たきがわ・まさゆき)
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1958年大阪生まれ。製薬会社のMR(医薬情報担当者)だった1984年、突然下血。都立病院でステージ(病期)3の大腸がんと診断され、開腹手術で直腸切除術(肛門括約筋温存術)を受ける。その後25年間、再発、転移なし。家族は妻と娘、現在は妻と2人暮らし。
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2術後、排便に苦労する

「開腹手術をするとやはりS状結腸が無くなるのですね。便が溜まるところがなくなったので、排便に関してコントロールできるまで、はかなり苦労しましたね。
部位によっては手術をして早ければ退院まで1ヵ月ぐらいでいけるのですが、吻合部狭窄と言ってつないでいるところを狭窄してしまい、便のコントロールがうまくいかず、手術後の処置に少し時間がかかりました。入院は3ヵ月ぐらいでした。癒着ではないのですが、ケロイド化と言って何か硬くなってしまい、普通の腸のような柔軟性がないので、その狭窄しているところをブジー(狭窄部を広げる針金状器具)で広げるという処置を東京の病院でやりました。半年後に大阪に転勤になっても大阪の病院でブジーやレーザー治療を受けました。かなり何年かがかりでやりました。何年かそういう処置を経て、腸と腸をつなぐホッチキスのような物があるのですが、それが自然に取れて、やっと何とか普通に生活できるようになりました。今は普通に全く何の問題もなく生活ができていますが、はじめはかなり苦労しました。

知っている先生ですので、『これはちょっとうまくいかなかったかな』と軽い気持ちでいろいろ言われたときには、『え?失敗したの』と思いましたけど。多分失敗はしていないのですが、先生は軽い気持ちで言っていることがやはり患者として受け止めるときには敏感に感じてしまうので、一般の人はより不安になるのかなと思います。」

●妻の支え

「もう必死ですよね。家内も関西出身の人間で、東京に知り合いもあまりいませんからね、入院中は横浜から東京の病院にずっと通っていたので、子供も小さいですし、とりあえず看病というか、日々洗濯物のこととかで病院に通うだけでも四苦八苦していて、考える余裕はなかったのではないですかね。

特にね、家族が大事だというふうには思いましたね。やはり他の人以上に自分のことを考えてくれるし、自分も守らないといけないという、家族の絆というのは特に強くなったような感じがします。いろいろな人に支えてもらっているわけですね。ドクターもそうですし、薬剤師さんも、自分が一緒に回っていたMRさんもお見舞いに来てくれたりしましたから、お世話になっている人に対しての感謝というのは強くなりましたね。」

●会社の支え

「(製薬会社にいたことで)自分が調べた肛門温存療法をしてくれる病院、自分が信頼できる医師を選べました。直属の上司とか所長にもお世話になり、僕が入院している先生方に対して会社的にいろいろバックアップしてくれて、僕を何とかうまく治療できるようにしてもらえたというのは、製薬会社にいたからだと思います。」