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滝川雅行さん
(たきがわ・まさゆき)
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1958年大阪生まれ。製薬会社のMR(医薬情報担当者)だった1984年、突然下血。都立病院でステージ(病期)3の大腸がんと診断され、開腹手術で直腸切除術(肛門括約筋温存術)を受ける。その後25年間、再発、転移なし。家族は妻と娘、現在は妻と2人暮らし。
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6広い気持ちでがんを受け入れる

「がん難民とか、自分は被害者だという意識をもたれている人は結構多いと思うのですね。でも誰でもがんにはなるのですよね。別に被害者でもないし、難民でもないし、自分のできる範囲のなかで最良の治療を自分で見つけていけばいいですし、絶対的に積極的治療がその人に合っているとも限りませんし、がんと共存して人生を全うすることもいいでしょうし、積極的治療でがんの腫瘍全部を取り除くような治療もいいでしょうし、ケースバイケースなので、もっと広い気持ちでがんを受け入れたほうがいいかなと思います。

やはり自分で納得することが大事ですよね。本当に自分の病気は自分で受け入れて、治療するのか共存するのか、とにかく自分で納得された治療をするのがいいかなと思います。

がんというのは特殊に思われがちですけれども、長生きをすると誰でも最終的には皆がんになる可能性があるわけです。ですから、それほど特殊な病気でもなく、たまたま自分は早い時期にそういう病気に遭遇をしましたけれども、特殊な病気ではないので、がんだと偏見とか特殊に見られているという、世間一般の考え方をなんとか変えられたらなと思います。」

●医療業界の視点を生かして

「がん患者支援機構という全国規模の患者会に、個人会員として入っています。小さい患者会には今入ってないです。

訴えたいという気持ちはなくて、製薬会社におりましたので患者会さんとも付き合ったこともあるのですが、患者さんはどうしても知識も低いですし、ロビー活動的なところもあり、それはあまりよくないと思います。やはりドクターと患者とあと一般の人が、行政もそうですが、力を合わせてお互いの立場を尊重しながらやっていけばいいのにと思う気持ちで入りました。今後、僕ができることというと医療のことや、体験者としてのこと、病気と薬の知識を生かした社会的貢献をできればと思っています。

●専門家の意見を聞くこと

「今はドクターの考え方も変わってきましたので、患者会とか非専門家に聞くのではなくて、専門家に聞いてセカンドオピニオンに行くほうがいいと思います。患者会のなかでの情報というのは、それほど質の高い情報ではないので、心の癒しにはなると思いますが。体験者の話で本当に自分が最良の治療を求めるのであれば、セカンドオピニオンを積極的に取り入れて、その選択肢の中で自分で選ばれたらどうでしょうか。医者に言われたからというのではなく、自分で選択することが大事だと思います。

今は本当にインターネットとか、いろんなもので情報は取りやすいと思うのですが、逆に情報過多になりつつあります。今は患者さんでもたくさん情報を入手することができます。そのような情報の中には結構噂話とかウソの情報がいっぱいあり、それをどう吟味していくのが難しい時代になったので、やはり専門家に聞いて、変に素人の意見に惑わされないで、専門家の意見を聞いて自分で選択をすると、先ほど言った話になるのですが、それが重要な時代かなと思います。」

●いま振り返って

「26歳で大腸がんの手術をしているのです。本当に珍しいケースですよね。思い当たる節は全くなく、ないというか、がんは家族的遺伝、食生活などいろいろなものが複合的に作用してなりますから。がんとは、(遺伝子のなかにがんを促す)イニシエーターやプロモーターになるいくつかの要因が関係して発症する病気です。1個の要因でがんにはなるわけではなく、加齢とともに誰でもかかる可能性のある病気というのが正しいのでしょうね。

曾祖母は80歳代でがんになりましたが、別にそれは参考にはならないかな。父親も胃がんで亡くなっていますけど、年をとって70歳を過ぎてからですからね。別に特殊ではないと思うのです。特に自分が特殊だったような感じがしますね。」