コラム 「なぞを追う」
『タイトルの「なぞを追う」は、母の第四句集の表題です。
この句集の中に「ぜんまいの のの字のなぞは 解けぬまま」という一句があります。
母が追い続けた「なぞ」が何であったのか、母が故人となってしまった今は確かめようもありません。
ただ「ぜんまいの〜」の句を読んで、私は普段当たり前のように思っていた事柄の中にも、実は「なぞ」があるのだと思うようになりました。
それは「なぜ、生きているのか」に繋がる「なぞ」であるかもしれません。「心を病むとは、何なのか」ということへの問いかけかもしれません。
ぜんまいの中にも「なぞ」があるように、このコラムでは日常の様々な事柄を通して、私なりに思うことをお伝えしたいと思います。』
夏苅郁子