●家族として病気とどう向き合っていくか

「うちの母は、今すごく安定していて、やっぱり揺れるのですけども、チームでの支えというのがすごく活きているなあと思います。

それはどんなチームかと言いますと、当事者である母、そして私達夫婦、お医者様、地域支援センターのスタッフさんと母のピア(peer:仲間)の友達、その連携ですごく安定できているのはないかと思います。問題が起きた時に、母は私に怒られそうな話は(私には)しないのですが、他の方にはいろんな相談をする。例えば何か原因が起きて症状につながった時に、その原因を知る手段として第3者の意見というのが、『これが理由だったのか』というヒントになることが多々あるので、たくさんの人で関わっていくという支援の仕方は、薬を使わずに問題を解決して症状を抑えていく、再発を防いでいくのにすごく有効だなと思います。

漫画 母の現在

漫画 「対症療法」ではなく「原因解決療法」

母は、今、減薬調整中です。減薬中というのは体調がどうしても揺れたり悪化したりという可能性があるのですけれども、それを本人も分かり、私達家族も分かっているので上手に見守りながら、少しでも副作用を減らすために減薬調整をしています。

漫画 減薬調整

これから(統合失調症と)どんなふうにつきあっていくかということですけども、私は子どもの家族なので当事者への思いというのは親御さんとは少し温度差があるのですね。どちらかというと、兄弟姉妹の方の感覚に近いかなと思うのですけれども。

いろいろな障害というか家族のたいへんな大波を乗り越えて穏やかな現在は、母は母の人生、私は私の人生と切り分けて考えられるようになったので、今までは『全部私がやってあげなきゃ』と思っていたのですけど、そういった過干渉はやめて、本人が本当に困って『助けて』と言った時だけ手を貸すような感じで、でしゃばらずにつきあっていけたらいいなと思います。これからは、おまけ程度に母の病気とつきあっていけたらうれしいかなと思っています。」

漫画 母には母の人生、私には私の人生/中村ユキさん

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