がんと向き合う

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大野正子 さん
(おおの・まさこ)
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東京都在住。家族は夫。子ども3人はすでに独立。2007年8月、60歳検診がきっかけで大腸がんが見つかる。糖尿病のかかりつけ医に専門医を紹介してもらい、約1ヵ月後にS状結腸がん(ステージ4)を切除。退院後、肝動注、抗がん剤治療を受け、肝転移を2度切除。外来通院と服薬を続けながら2010年2月には仕事(ホテルのベッドメイク)を再開。電車に乗るのも楽しい毎日を送っている。
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5仕事の再開

「平成19年に大腸がんが見つかって、それからはずっと働いていませんでした。(病気が原因で)辞めてもう3年経ちますが、そこにまた連絡して内容を全部話しました。そうしたら面接をしてくれたので、自分の中では少し気は楽なのです。(病気のことを)わかって雇用してもらったので、ありがたいです。

自分で『この日とこの日』とシフトを組むやり方の会社なので助かっています。」

Q.周囲の方は病気のことをご存知ですか?

「(職場の周りの方も、病気のことは)全部知っています。知らない人ほとんどいないと思います。皆が知ってくれているほうが気が楽ですし、うちの職場はいい方が多いので、本当にありがたいです。」

●先生のアドバイス

「いつも定期的にCTを撮っているのですが、3月にCTを撮ったら、転移が見つかったのです。先生に『せっかく就職したけど、この転移があるんじゃ、仕事は辞めなくちゃいけないですね』と訊いたら、『いや・・大野さんは元気がいいから、それはあとで考えたほうがいい。どうしてもたいへんだったら辞めればいいし、今は辞めなくてもいいと僕は思うよ』と言われました。『そうですか?』と聞くと、『ずっと寝ていれば治るのだったらそのほうがいいけれど、体にはむしろ(仕事は)運動がてらいいんじゃない?』と言ってもらいました。

それで4月と5月に2泊3日ずつ入院して、職場のほうも全部私のことをわかって雇用してもらっているので、(入院についても)全部話しました。『お休み、結構ですよ』と10日間ぐらい休ませてもらいました。5月も手術のときは休ませてもらって、その後また普通に働いて、今現在に至ってまだ大丈夫という感じです。やはり外に出ていると楽しいのですよね。職場は楽しいです。いろんな方と出会えるし、お話もできます。やはりうちの中にいるだけでは・・・。お友達はいますけど。職場はすごくいいです。」

●電車に乗るのも楽しい

「通勤は電車で30分ぐらいかかるので、いつも8時半過ぎには出かけます。

電車は通勤のピークは少し外れているのか、少し混んでいるときもありますけど、大丈夫です。だからとにかく、何でも楽しいのですよね。電車に乗るのも楽しい。以前、働いていたときと気持ちが変わったのです。以前は『休みたいな・・』というときもありました。今もたまに風邪をひいたりすると、当日『お休みさせてください』と言う日もありますが、とにかく仕事に行くことが楽しいし、電車に乗るだけでも楽しい。今までずっと家にいたから、何か気持ちが違うのです。」

●雑念がゼロ

「仕事しているときは、自分の中でいろんな雑念がゼロで没頭しているので、働いているときが何かいちばんすっきりしています。不安感も何もなく動いているから、仕事しているときがいちばんいいのかな。

1週間に最低3時間ぐらいは運動をしようと思って、うちはワンちゃんがいるから散歩にも行くのだけど、(運動といえば)そのぐらいじゃない?(散歩のできない)雨の日やいろんな日があるから、やっぱり働くというのがいちばんいろんな面で運動しているのかなと思います。一石二鳥かな。

仕事の帰りに『今日は早く終わったから、帰りにお茶でも飲みましょうか』と言ってお茶を飲むのもストレス解消かなと思っています。お家にいたらそういうのができないから、やっぱり表に出たほうがいいのかなと自分では思っています。

仕事に行かないときは、たまっている家事を消化したりしています。次の休みの日は、誰ちゃんと会おうとか、どこどこへ出かけようと予定を入れると、結構忙しく終わっちゃいますね。」