がんと向き合う

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篠田久美子さん
篠田久美子さん
(しのだ・くみこ)
東京在住。2006年6月乳がんと診断され,乳房温存手術、抗がん剤、放射線、ホルモン剤治療を受ける。現在は、ホルモン剤を服用中。趣味のテニスも再開し、普通の日常生活を送っている。
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4くすりの副作用

「抗がん剤のほうは、それほど気持ちが悪いわけではないのですが、ずっと気持ちが悪い、つわりみたいな感じの気持ち悪さが続くタイプだったような気がします。なので、食欲は落ちました。ほかには、髪の毛が抜けるというのはもちろんありましたが、身体的にはそういう感じだったと思います。」

●放射線治療の副作用

「私の場合はそれほどなくて、(放射線をあてたところの)皮がベロっとめくれてしまうというようにも聞いていたので、結構ビクビクしていたのですが。日焼けでヒリヒリしたというような感じはありましたが、少し赤くなった程度で、痛みなどはなかったです。」

●ホルモン療法の副作用

「私の場合は、関節が痛いです。先生にも、『指が痛い、関節が痛い』と言って、痛み止めをいくつか種類を変えて出してもらいました。あとは、先生がほかの患者さんから聞いた漢方薬があり、『これが効く人は効くらしいよ、試してみる?』ということで試してみたのですが、私はあまり効きませんでした。起きたときや、急に体を動かしたときに関節がこわばって痛いという感じです。日常生活に支障が出るほど痛くて歩けないとか、痛くて包丁が握れない、お料理ができないというほどではないので、まぁこんなものかなと思い、今は共存しているというか、それほどは気にしてないです。」

●眠れない、食べられない

「術後、食欲が全然なくなってしまい、退院してからもほとんどご飯が食べられなくなり、眠れなくなってしまったのです。手術が終わったのに、なぜかはわからないのですが眠れないのです。結局、眠れないから食べられないのだと思いますが。病理検査の結果から10日後に診察を受けたときに、先生が『どうですか』とひと言おっしゃったとたん、泣いてしまい、『なんだかもううつ状態で。うつ病になってしまったのでしょうか』と訴えました。全然眠れないし、寝ると息が止まってしまいそうで、このまま死んでしまうのではないかという感じになってしまったので、それを先生に泣きながら訴えたのを覚えています。

すると先生が、『まぁ、手術が終わって緊張感がとれて、そういう状態になったんじゃないのかな』とおっしゃって、『睡眠薬と安定剤を少し出すから、それを飲んでみてください』『あまりそういう状態が続くようであれば、専門の先生を紹介することもできるので』と言われました。先生の前でそうして泣いて吐き出したのがよかったのか、帰りに喫茶店の前を通ったら、それまで全然食べたいという気持ちがなかったのが、『あぁ、なんとなくサンドイッチくらいなら食べられるかな』と思い、店に入ると普通にサンドイッチとコーヒーが食べられたのです。睡眠薬も2〜3日続けて飲んだあとは眠れるようになったので、睡眠薬のほうはすぐに止めました。安定剤はしばらく飲んだほうがいいと言われたので、飲んでいます。

私は気が小さいので、人間ドックを受けるというだけで、もう前日は食欲がなくなってしまい、病院で胃薬や吐き気止めを出してもらったりします。先生とお話するとそこでもまた泣いたりして、先生の前で何回泣いたかわからないぐらいです。看護師さんに『あまり調子よくないんですって?食欲ないんですって?』と優しい言葉を掛けていただくと、『そうなんです・・・』とそこでまた大泣きして。もう本当にいい歳して、先生や看護師さんの前では泣きました。」